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更新日:2024年9月30日
日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスの感染によって起こる中枢神経(脳や脊髄など)の疾患で、東アジア・南アジアやオセアニアなど広く分布しています。ヒトからヒトへの感染はなく、ブタなどの体内でウイルスが増殖した後、そのブタを刺したコガタアカイエカなどの蚊がヒトを刺すことによって感染する蚊媒介性の疾患です。
ほとんどの場合は感染しても症状が現れない不顕性感染ですが、感染者の1%以下で日本脳炎を発症し、発症した場合は20~40%が死に至る病気です。症状が出る場合、6~16日間の潜伏期間の後、数日間の高熱・頭痛・嘔吐などが現れ、急激に光への過敏症、意識障害、けいれんなどの中枢神経系障害を生じます。
国内の発生状況は1992年から2017年まで年間10名前後の患者が確認されていましたが、2018年には年間を通しての患者の報告はありませんでした。しかし、2019年以降は再び患者の発生が確認されています。患者の多くは九州・沖縄地方及び中国・四国地方で発生していますが、2016年と2023年は茨城県でも患者の発生は確認されています。患者発生時期は蚊の活動が活発な7月から9月が中心です。(最新の情報は感染症流行情報(週報)で確認できます。)
全国と茨城県における日本脳炎の患者報告数(人) |
茨城県では感染症流行予測調査事業の一環として、ブタ血清中の日本脳炎ウイルスに対する抗体(感染の指標)を測定し、ウイルスの浸淫度を追跡しています。例年夏期に県内と畜場にてブタから採血し検査を実施しています。
2017年から2020年には抗体が検出されませんでしたが、2021年以降は継続して抗体が検出されています。特に2023年度は調査したブタの44%で抗体が検出され、この10年間で最も高い浸淫度でした。
ブタの抗体保有状況は、環境中に日本脳炎ウイルスを保有した蚊がどれくらいいるのかを間接的に知ることができる重要な指標です。今後も引き続き調査を行うことで状況を注視してまいります。
2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
茨城県 | + | + | + | - | - | - | - | + | + | + |
*抗体が検出された年を(+)、検出されなかった年を(-)で示している。
(今年度の情報はこちら)
日本脳炎を予防するためには予防接種と蚊の対策が重要です。
日本脳炎の予防接種は定期接種に分類されており、対象年齢の小児は無料で予防接種を受けることができます。予防接種を受けることで、罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。
日本脳炎ウイルスの媒介蚊は主にコガタアカイエカであり、日没後に活動が活発になるとされています。屋外に出る際には①虫除けスプレーの使用、②できる限り長袖・長ズボン着用など対策を行い、屋内であっても網戸や蚊帳の利用や窓や戸の開閉を少なくするなど蚊に刺されない工夫をすることが予防に役立ちます。
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