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更新日:2024年9月30日
寄生虫による食中毒の中で、アニサキスによる事件が最も多く年間を通して発生していますので、日頃から注意が必要です。
アニサキスはクジラやイルカ、アザラシなどの海生哺乳類の消化管の中で成虫になる寄生虫の一種です。幼虫はサバ等種々の魚介類に寄生しており、ヒトはアニサキス幼虫が生きたまま寄生した魚介類を、生や生に近い状態で食べることで胃腸炎(アニサキス症)になります。
アニサキス幼虫はサバ、イワシ、イカ、アジ、サンマ、ヒラメ、カツオなど様々な種類の魚介類の内臓に寄生しています。アニサキスの寄生した生餌を与えていた場合などを除き、養殖魚では寄生がほとんど認められていません。体長は約2~4㎝程度で、白い糸のように見えます。
スケトウダラの肝臓に寄生するアニサキスの幼虫 (リング状のもの) |
アニサキス幼虫の拡大写 |
(資料提供:国立感染症研究所) |
アニサキス症は寄生部位の違いにより、胃アニサキス症と腸アニサキス症に分けられます。
アニサキス幼虫が腸に穿入すると、食後2~10時間後に幼虫が胃に穿入することにより、激しいみぞおちの痛み、悪心、嘔吐が生じます。痛みは内視鏡検査で幼虫を摘出するか、体内で幼虫が死滅するまで継続します。また、まれに症状がなく健康診断時の内視鏡検査などで、幼虫が見つかる場合もあります。
アニサキス幼虫が腸に穿入すると、食後10時間以降に激しい下腹部痛、悪心、嘔吐などの症状を呈します。腸閉塞や腸穿孔を併発すると、手術が必要になります。
アニサキスによる食中毒事件数は年々増えています(図)。令和4年次は全国で566件発生しており、食中毒原因物質の第1位の事件数でした。茨城県でも令和4年次には1件のアニサキス食中毒が発生しました。
(図)アニサキス食中毒事件数の推移(全国) |
予防方法
料理で通常用いる程度のワサビ、酢、醤油では死滅しません。シメサバを原因としたアニサキス食中毒にも気をつけましょう。
鮮度が落ちると、内臓から筋肉に移動することが知られています。
万一、アニサキスによる食中毒が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。また、刺身など鮮魚介類の調理の際には、正しい知識をもって取扱いましょう。
アニサキスについてもっと詳しく知りたい方はこちら
参考リンク
アニサキスによる食中毒を予防しましょう(厚生労働省ホームページ)
アニサキス症とは(外部サイトへリンク)(国立感染症研究所ホームページ)
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