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更新日:2024年9月30日

家庭用品試験検査について

家庭用品とは、消費者が日常生活で使用する製品のことです。例えば、家の掃除に使用する洗浄剤、毎日身に着ける下着等の繊維製品や革製品が当てはまります。

家庭用品には様々な化学物質が使用されることがあります。これらの化学物質は、生産性向上及び生活の利便性向上に貢献している一方で、人体への健康被害を生じる可能性もあります。そのため「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」によって、21種類の化学物質について基準値が定められています。

衛生研究所では、県内で流通している以下の製品について検査を行っています。

対象家庭用品 有害物質 毒性 基準値
家庭用エアゾル製品 メタノール 視神経障害 5%以下
トリクロロエチレン 中枢神経障害 0.1%以下
テトラクロロエチレン

繊維製品(おしめ、下着、靴下など
直接肌に触れるもの)

つけまつげ等に使用する接着剤

ホルムアルデヒド

粘膜刺激

皮膚アレルギー

乳幼児用:16ppm※1以下
それ以外:75ppm以下
繊維製品、革製品 一部のアゾ化合物※2 発がん性

特定芳香族アミン

として30μg/g以下

※1:ppmは濃度の単位。例えば16ppmは製品1キログラム中に16ミリグラム含まれることを示す。

※2:アゾ化合物は色素となるものが多く、アゾ染料として繊維製品、革製品など様々な製品に使用されている。そのうち、分解の過程で特定芳香族アミンという発がん性物質を生成する恐れがある一部のアゾ化合物のみを対象としている。

繊維製品に含まれるホルムアルデヒドの試験検査について

当所で行っている家庭用品試験検査の一例として、繊維製品に含まれるホルムアルデヒドの試験検査についてご紹介します。

ホルムアルデヒドは下着や靴下などの繊維製品に、防しわ、防縮性を与えたり、プリントの染料を繊維に固着させる接着剤としての目的で使われていることがあります。

これらの目的で使用されたホルムアルデヒドは、繊維製品内に残り続けている可能性があり、残存する量によっては皮膚アレルギーや粘膜刺激といった症状が現れる場合があります。

ホルムアルデヒドは水に溶けやすい性質を持っているので、洗濯(水洗い)をすることでほぼ取り除くことができます

 

ホルムアルデヒドはアセチルアセトン吸光光度法で定量しています。

  1. 繊維製品を規定量秤量し、細かく裁断します。
  2. 水を加え、1時間加温し、繊維製品に残存するホルムアルデヒドを遊離させます。
  3. ろ過し、ホルムアルデヒドが溶けた水溶液を得ます。
  4. 3で得た水溶液にアセチルアセトン試薬を混合して加温すると、ホルムアルデヒドと反応して黄色に発色します。
  5. 発色の強さを吸光光度計を使って測定することでホルムアルデヒドの濃度を求めることができます(発色が強いほどホルムアルデヒド濃度が高くなります)。
検査の流れ
図1 検査の流れ
ホルムアルデヒド検出
図2 検体にホルムアルデヒドが含まれていた場合

衛生研究所における試験検査結果

過去4年間の検査件数は以下の通りです。家庭用エアゾル製品1検体から基準値を超えるメタノールの検出がありました。また、日本国内ではホルムアルデヒドの基準値違反は毎年報告されており、自主回収や行政処分の対象になっているケースもあります。今後も県民のみなさんが安心・安全に使用できるように、試験検査を継続していきます。

 

繊維製品等

(ホルムアルデヒド)

家庭用エアゾル製品
(メタノール
・トリクロロエチレン
・テトラクロロエチレン)

繊維製品
(アゾ化合物)
乳幼児用 それ以外
平成30年度 84 48 9 9
令和元年度 84 48 9(内基準値超過1) 9
令和2年度 84 48 9 9
令和3年度 84 48 9 9

各都道府県の試験検査結果はこちらに掲載されています。

都道府県・政令市等・特別区の家庭用品安全対策事業(厚生労働省医薬・生活衛生局化学物質安全対策室ホームページ)(外部サイトへリンク)

このページに関するお問い合わせ

保健医療部衛生研究所理化学部

〒310-0852 茨城県水戸市笠原町993-2

電話番号:029-241-6652

FAX番号:029-243-9550

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