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更新日:2019年5月20日

「いっぽんしめじ」の見分け方

茨城県民が大好きなきのこに「いっぽんしめじ」があります。この名前は茨城近辺だけに通じる地方名で,正式にはウラベニホテイシメジといいます。やっかいなことに,そのきのこにそっくりの毒きのこ,クサウラベニタケが同じ時期,同じ場所に発生します。このきのこは,茨城の地方名では「つきよたけ」と呼ばれることが多いようです。
両種を完璧に見分けることは専門家でも難しく,毎年のように,クサウラベニタケによる中毒事故が発生しています。

1.近年の茨城県内での中毒事例

発生年月 中毒者の性別と人数 クサウラベニタケ採取場所
平成12年10月 男性3名,女性3名 高萩市内
平成13年10月 男性3名,女性1名 群馬県北部
平成14年9月 男性6名,女性7名 北茨城市内
平成16年10月 男性2名,女性2名 不明
平成17年10月 男性2名,女性5名 鉾田市内,筑西市内
平成20年10月 男性2名,女性3名 桜川市内
平成20年10月 男性1名,女性1名 東海村内
平成22年10月 女性1名 大子町内
平成22年10月 男性2名,女性2名 大子町内
平成22年10月 男性1名,女性1名 常陸太田市内
平成24年10月 男性1名,女性1名 つくば市内
平成25年10月 男性1名,女性1名 大子町内
平成27年9月 男性1名,女性1名 大子町内
平成28年9月 男性1名,女性2名 不明
平成28年11月 女性2名 不明


クサウラベニタケは,死に至るような猛毒きのこではありませんが,中毒症状は激しく,このきのこに中毒した多くの人が「二度ときのこは食べない」といっているほどです。
そこで,両者の区別点を整理してみました。ひとつの区別点だけで判断せず,すべての区別点を照らし合わせてみて,少しでも自信がなければ食べないことをおすすめします。「胃袋が裏返る」という苦しみを何日も体験することのないように・・・。

2.両種の区別点


  ウラベニホテイシメジ(食) クサウラベニタケ(毒)
全体 ウラベニホテイシメジの全体 クサウラベニタケの全体
ウラベニホテイシメジの傘 クサウラベニタケの傘クサウラベニタケの湿った傘
オリーブがかった灰色
・斑紋がある・肉が厚い
・白い糸状のかすり模様がある
灰色から肉色を帯びる
・乾いている時,絹状のつやがある・肉が薄い
・濡れると中心に輪が現れる(写真右)
ウラベニホテイシメジの柄 クサウラベニタケの柄
柄はしっかりしていて太い
・柄の中心に空洞がない
柄は細く折れやすい
・柄の中心に空洞がある
その他 肉に苦みがある
・柄の根元は深く,落ち葉の層を突き抜けて土壌に達している場合が多い
肉に苦みはない
・柄の根元は比較的浅く,落ち葉の層の周辺にとどまる

なお,イッポンシメジツキヨタケ別種の毒きのこです。きのこの名前は地方名ではなく正式な名前を覚えましょう。

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〒311-0122 茨城県那珂市戸4692

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