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更新日:2021年5月31日
各林業指導所やきのこ博士館、林業技術センターで対応した野生きのこの名前を調べる相談と県内で発生した毒きのこによる中毒の概要を紹介します。野生のきのこは種類を調べ名前を知るのが難しい上、猛毒を持つものもあるので、食用にする場合は、慎重に選別してください。
なお、名前を調べる相談の「種数」は、相談ごとの重複や名前のわからなかったものも積算しています。
件数:544件
種数:1,219種(うち毒きのこ162種)
食用:ヒラタケ……………………………… 51件
ハタケシメジ………………………… 27件
ウラベニホテイシメジ……………… 26件
ナラタケモドキ……………………… 25件
クリフウセンタケ…………………… 23件
有毒:クサウラベニタケ…………………… 21件
ハイイロシメジ……………………… 14件
ドクツルタケ………………………… 7件
ニガクリタケ………………………… 7件
カキシメジ…………………………… 6件
クサハツ……………………………… 6件
クロハツ……………………………… 6件
ミネシメジ…………………………… 6件
食用:コゴミ…………………………………2件
有毒: …………………………………0件
本年はきのこ・山菜類に係る中毒事例は発生しなかった。
令和2年度は野生きのこ類の相談件数が544件で、持ち込まれたきのこの延べ種数が1,219種となった。昨年度(相談件数684件、延べ種数1,880種)に比べると、相談件数は約20%減少し、延べ種数は約35%減少した。
水戸地方気象台発表の「茨城県気象年報令和2年(2020年)」に、令和2年の年降水量は平年並みであったが、年平均気温が平年に比べかなり高くなったこと、年間日照時間が平年に比べ多くなったことが報告されている。このような気象条件にあいまって、コロナ禍できのこ相談に訪れる人が減少したのが相談件数と述べ種数減少の原因と考えられる。
一方、毒きのこの延べ種数は162種と約1%増加した(昨年度161種)。全相談に対する毒きのこが占める割合は、約30%で、昨年度(約24%)とわずかに増加した。また、県内では、きのこによる食中毒は発生しなかった。
山菜・野草類に関する相談は、食用のコゴミが2件あった。
食用きのこの相談件数は2年連続で、1位ヒラタケ(51件)となった。以下2位ハタケシメジ(27件)、3位ウラベニホテイシメジ(26件)、4位ナラタケモドキ(25件)、5位クリフウセンタケ(23件)となった。1位のヒラタケは、晩秋から冬にかけて発生する、柄がほとんどない大型のきのこであるが、似たきのこに有毒のツキヨタケがあるので、注意してほしい。3位のウラベニホテイシメジは、県民の関心が高いきのこであるが、昨年同様気象条件の影響で発生が少なかったと考えられた。5位のクリフウセンタケに似た毒きのことして、カキシメジが挙げられる。食用きのこと毒きのこが混在することもあるので、1つ1つのきのこをよく見て、慎重に同定してほしい。
毒きのこでは、1位クサウラベニタケ(21件)で、以下2位ハイイロシメジ(14件),3位ドクツルタケ、ニガクリタケ(7件)となった。1位のクサウラベニタケは、食用きのことして人気のあるウラベニホテイシメジと間違えやすく、きのこに詳しい人でも間違うことがあり、注意されたい。両者の見分け方を林業技術センターのホームページに掲載しているので参考にしてほしい。2位のハイイロシメジは図鑑によって食用扱いにしているものもあるが、中毒を起こすことが知られており、最新の図鑑では、毒きのことして取り扱っている。3位のドクツルタケ、ニガクリタケについても、それぞれ近縁種に食用きのこがあるため、慎重な同定が必要である。
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