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更新日:2021年3月26日
この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は,こちらから視聴いただくことができます。
(作成:報道・広聴課)
令和3年3月25日(木曜日)
14時30分~15時11分 会見室
東京(幹事社):幹事社の東京新聞です。まず、知事の方から発表事項があるということで、お願いします。
知事:本日は、コロナの今後の可能性がある第4波に備えた対策の考え方についてご報告させていただきたいと思います。
本県の状況、皆さんご存じのとおり、1、2月、県独自の緊急事態宣言によって、県民の皆様が大変ご努力をいただいたおかげで改善はしたわけですが、その後、新規陽性者の数などは下げ止まりが続いております。
実際に、1月が1日当たりの平均陽性者76人超だったものが、2月には33.5人、ただ、3月はそれがまだ30人ということで、下げ止まりの傾向がしっかりと出てきていると言えるかと思います。
県では、そういう下げ止まりから、さらにリバウンドが、過去の経験からして、この年度末、年度始めに起こりやすいと判断して、警戒期間を設けて、さらなる警戒を県民の皆様に呼びかけているわけでございますが、今後、感染拡大が、確実とは言えないまでも、全国の状況を見ていても、可能性が高いと考えております。
それに備えて、早期にどのようにして感染の拡大をいかに封じ込めていくかということで、これまで、第3波までで、我々が様々経験したこと、学んだことを踏まえて、早期の対策を打ち出していく、県民の皆様の理解を得ておくということが重要であると考えております。
対策は、大きく2つ、早期の対策として考えております。
一つは、まず、高齢者施設などに対する大規模な定期検査を実施するということでございます。直近の1週間の陽性者が人口1万人当たり1.5人を超える市町村、県内でも、現在でも7つくらいの市町村がこの基準を超えております。これを超えた時点で、そこに所在がある高齢者施設に対して、プール検査という方法を使って、大規模に従業員の方を対象に定期検査を行うことによって、感染の侵入の防止、あるいは、感染が入ってきたとしても、それの拡大が大きなクラスターを生む前に、早期に防止ができるような頻度の高い検査を行っていくということでございます。
さらに、そういう市町村ごとの高齢者施設の検査という対応だけではさらにその悪化を抑えられないということで、茨城版コロナNextの判断指標がStage3に近づいてきている、あるいは超えたということである場合には、状況を判断しながら、前回11月から茨城県で実施したように、市町村単位で、陽性者が、1週間当たり、1万人当たり1.5人を超える市町村別に感染拡大市町村として指定して、外出自粛や営業時間短縮の要請を行っていくということを実施していきたいと考えております。これが今後の感染拡大に備えた大きな方針ということです。
第3波の時と違うのが、感染拡大市町村ということで、営業なり外出の行動抑制をお願いする前に、県全体の高齢者施設に対する定期的な一斉検査を感染が比較的多い市町村で実施していくということでございます。これは、プール検査という手法を使って行うものでございまして、県全体で1,800カ所の高齢者施設に5万7,000人の(従事者が)いるわけでございますが、4月上旬、場合によっては中旬になるかもしれませんが、なるべく早い時期に、この高齢者施設での検査を、1万人当たり1.5人以上の感染者がいる市町村についてはオートマチックに実施していくということを行いたいと思います。
週1回程度、複数回実施するということで、毎週1回検査することによって、発見の確率をしっかりと高めていくということで、高齢者施設、大規模なクラスターを全国的にも起こしているわけでございますが、そこにおける感染の拡大をいかに早期に発見して、クラスターの拡大を防止するかということを実施していきたいと思っております。
改めて、現在、県民の皆様には、4月10日まで、茨城県の感染のまん延防止警戒期間ということで警戒をお願いしております。卒業式、入学式、歓送迎会など、様々な行事があるこの年度末・年度始めに会食をする機会が非常に多くなると思いますけれども、今でもそういう会食で新規の感染者が増えてきております。是非、皆様には、しっかりと警戒していただきたい。特に、人数の多い会食は避けていただいて、4人以下で実施するということ。それも同居家族など普段から会っている方と実施していただくということで、警戒を怠らないでいただきたいと思います。
また、もう桜が七分咲きくらいになってきたでしょうか。県内もお花見の季節になりました。宴会をするということで、飛沫感染の確率を増やしますので、是非お花見はマスクをして、飲食なしで、その美しさを愛でていただければと思います。
それから、春休みの旅行などでお出かけになる方もいらっしゃると思います。県境をまたぐ往来は、行き先の感染状況などを十分に見た上で、慎重に判断していただきたいと思います。
宮城県、あるいは東京都、沖縄県などは引き続き感染者が多く発生している。かつ、感染者の数がかなり増えてきているということでございますので、そういう場所に行く際は、できれば考え直していただいたほうが良いと思うのですが、しっかりと警戒していただきたいと思っております。
現在、茨城県のコロナNextの判断ではStage2ということになっております。重症病床の稼働数が0件になったということでございますが、一方で、1日当たりの新規陽性者数は前週に比べて26.9から33.9に上がっているということで、この年度末・年度始め、十分に警戒を怠らないことが必要なのかなと感じておりますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。私の方からは以上です。
東京(幹事社):ありがとうございます。発表事項について、まず幹事社から質問させていただきます。高齢者施設等に対するプール検査ですが、直近1週間の人口1万人当たり1.5人という数字、これは日々変わっていく数字ですが、一度対象になったら、その後、1.5人を下回っても、週1回の検査というのは継続するという考え方なのでしょうか。
知事:そうですね。日替わりで変えることはしません。ある程度の期間は続けるつもりでございます。
東京(幹事社):それは、つまり、検査時期として、ワクチン接種完了までというその期間中は、一度対象になったら続けるということですか。
事務局:感染の状況で言うと、2週間程度を見ながらというのは、ワクチンの接種というのは、当面。
知事:ワクチン接種が行き渡るまではずっとやり続ける。
事務局:当面の間は。
知事:当面の間は続ける。
事務局:はい。ワクチン接種の完了までは。
知事:違う、違う。1.5人を超えたら、その市に対してはずっとワクチン接種が完了するまで、1.5人を下回ってもずっと続けていくのか。
事務局:これは2週間単位で判断をしたいと思っています。
東京(幹事社):わかりました。幹事社からは以上です。発表事項について、各社さんから質問があればお願いいたします。
朝日:今の話で、補足でお聞きしますが、そうしますと、今後の発生状況によっては、検査体制の強化なりが必要な気もしてくるのですが、このあたりは何か考えというのはあるのでしょうか。
知事:検査体制の強化は引き続き行っていくつもりでございますが、このプール方式が、ある意味、検査体制を強化する方法というか、かなり数を増やす可能性を持っているものなので、そういう意味でプール方式に取り組むことにしております。
朝日:了解です。わかりました。
茨城:②の外出自粛要請、営業時間短縮要請の検討の方ですが、こちらで、具体的に、今回は外出自粛や営業時間の何時までとか、どういった業種にするとかというのは何か考えられていることはありますでしょうか。
知事:基本的には、前回同様、営業時間短縮は飲食店が中心になるかと思いますし、それから、業種は飲食店中心になって、営業時間短縮はどこまでやるかということは状況を見ながらになると思いますが、9時とか8時とか、そういう形になってくるのかなと思います。
営業時間短縮については、国の方でもある程度ルールがあるので、それに則ってやることで協力金と国のサポートを得る前提になっていますので、そういうことで平仄は合わせながら実施していくということになると思います。
茨城:あと、高齢者施設の方でワクチン接種完了まで実施というお話でしたが、このワクチン接種完了というのはいつぐらいを見込んでいるのでしょうか。
知事:高齢者の施設だけで言うと、5月いっぱい、あるいは6月の中旬ぐらい、国の予定では、6月いっぱいで大体高齢者の接種を完了するだけのワクチンを供給するというお話でございますので、これがスムーズにいけば、施設は最初に優先してやりますので、6月末よりも早い時期、できれば5月いっぱいとか6月に入ってちょっとぐらいで当然先に終了するのではないかなと思います。
茨城:ありがとうございます。
NHK:前回の県独自の緊急事態宣言が出た時に、最初、なかなか感染がおさまらなくて、知事の中では十分な効果があるとは言えないというお話もあったかと思うのですが、今回、第3波の時の反省というか、それを踏まえて今回は全体に網をかけるわけではなく、部分、部分に感染拡大市町村というふうに指定すると、そういう考えということでよろしいですか。
知事:第3波って、茨城県の波を見ると、2段に来ているのですね。1回波が来て、12月に入って波が下がって、また年末から1月にかけてものすごい勢いで上がったのですね。要するに、何が茨城県にとって想定外で、あるいはそこから学んだかというと、最初の波を下げたのは、市町村単位で外出自粛と営業時間短縮を要請していって、そこである程度抑え込んできたかなという波が下がってきたところで年末年始を迎えたわけです。年末年始に特段何も追加の対策を打たずに、人が移動した瞬間に、ものすごい勢いで、あっという間に、病床がこのままいったら10日ぐらいでなくなってしまうのではないかという勢いで増えてしまった。
というので、今回は、まずは基準を超えた市町村単位で、1万人当たり1.5人以上というところを、4月頭から、プール方式を使って大規模に高齢者に対して定期検査をかけていく。一方で、県全体の感染者の状況が茨城版コロナNextでStage3が見えてくる、あるいは急速に近づいてきている、超えてしまったという状況を見ながら、今度は単に検査だけではなくて、1.5を超えた市町村に対して、外出自粛と営業時間短縮という去年の11月に行って、その時、ある程度効果があったものをそこから開始しますよということをあらかじめ方針を決めておいて、それに基づいて、市町村や関係者の皆様の協力を得やすくしながら、第4波に備えていくという方針です。
前回との違いで言うと、今、警戒期間ということで、年度末・年度初めの行動抑制ということを県民の皆さんにお願いしているのも、非常に大きな前回との違いになっているわけです。
NHK:ありがとうございます。
毎日:高齢者施設のプール検査について教えてください。ちょっと考えにくいのですけれども、県全体の数字を見ると、1,800カ所の5万7,000人という数字が出ていますが、これは、もし全体に網がかかった場合は、検査のキャパは十分なのかという心配があるのですが、そこはいかがでしょうか。
知事:まずは市町村単位で、数の多い市町村、1万人当たり1.5人のところから始めますので、1,800カ所、5万7,000人が一気に来るということはないと。今現在でその基準を超えているところは7市町村ぐらいだと思いますので、(一気に来るということ)はないと思います。
ただ、今後、私の気持ちとしては、このくらいのキャパで検査をどんどん実施するというぐらいの方がまだ必要だというふうには思っていますので、それになるべく近づけるようにキャパシティの拡大は行っていきますが、一方で、今後、5月から6月にかけて急速にワクチンの接種が広がりますので、そうすると、こういう検査をしながらクラスターを非常に警戒しなければならないという状況が多分大幅に変わってくるのではないかなと考えていますので、そこの時期までどのくらいキャパシティが必要かという兼ね合いですね。今すぐこれをやれというのはちょっと無理です。
毎日:今の追加で、7市町村という数字が、今、出ましたが、4月1日現在で1.5人以上のところを対象にして始めるということですか。
知事:4月1日にまだ準備ができていないので、10日過ぎになってしまうと思いますが、その時点で1.5人超えているところは直ちに行います。
東京(幹事社):他によろしいですかね。それでは、他のテーマについて、幹事社からまず質問させていただきます。それでは、他のテーマについて、幹事社からまず質問させていただきます。
最初に、先日、水戸地裁で出た東海第二発電所の運転を差し止める判決についてお聞きします。この裁判は、原告は日本原子力発電ですが、差し止める理由としては、広域避難計画など防災対策が整っていないということを理由に挙げられました。ある意味、行政にボールが投げられたような形であります。県は、先日、第二の避難先ということを発表されましたが、これも含めて、広域避難計画の整備ということにどのように取り組んでいかれるかということをお聞かせください。
知事:実効性ある広域避難計画をきちんと整備するということは、もともと東海第二原発についての対応として県としても打ち出しているものでございますので、この判決によって、我々がやらなければならないこと、あるいは考えなければならないことが変わるということは一切ないと考えております。
一方で、広域避難計画について、30キロ圏内、UPZ内の市町村と連携しながら作業を続けているわけですが、輸送手段の確保であるとか、複数の避難経路の確保とか、そういうものについても、今、作業の途上でございますので、判決の中身も我々としても注視はしますが、しっかりとまずは実効性があると言えるような避難計画を、関係者と連携しながらしっかりとつくっていくということに尽きるのかなと思っています。
東京(幹事社):ありがとうございます。次に、札幌地裁の方で出た同性婚を認めないのは憲法違反だという憲法判断が示された判決についてです。
大井川知事は、パートナーシップ宣誓制度を都道府県レベルでは全国に先駆けて実施されるという、一つ、こだわりのあるテーマかなと思います。この判決についての受け止めと、今後の国における法制化にどのように期待するかという点をお聞かせください。
知事:札幌地裁の判決は、性的マイノリティの方々に対しても、男女間の方と同じように結婚という形での権利を認めるべきということであるかと思います。
パートナーシップ宣誓制度という形でいち早く茨城県で取り組んでいるので、そういう性的マイノリティの方々が差別されることなく、他の方たちと同様に権利を行使できて、社会生活を営めるようにするということは、行政にとっても非常に大きなテーマではないかなと思います。
現在、自治体だけでも70を超える自治体が同じようにパートナーシップ宣誓制度を導入しておりますし、私としては、こういう流れが今後とも進むことはあっても後退することはないと思いますし、この地裁もそういう流れの中で、一つ、大きな弾みをつけるものではないかなと思っています。
今後、国の方で、自民党をはじめ動きが出てきているようですので、多分、10年前とは日本の中でも国民の意識は大きく変わってきていると思いますので、そういう状況もきちんと踏まえながら、一刻でも早くダイバーシティの社会が実現するような方向へ、国の政策が向かっていただけることを私としては強く願っております。
東京(幹事社):その法制化のあり方なのですが、国会の方では、憲法改正が必要ではないかと。つまり、憲法24条の両性の合意と書かれている条文の改正が必要だという議論もあるようです。もちろん法律の改正でできるという議論もあります。知事は、法律の改正でやるのが望ましいとお考えなのか、それとも、憲法改正ということを検討する必要があるとお考えか、どちらでしょうか。
知事:すみません、私、その辺についてはあまり詳しくないので、ちょっとコメントできる能力がございません。
東京(幹事社):わかりました。最後に、もう一つだけ、知事選のことをお聞きします。かねてから、コロナ対策が一段落するまでは表明をしないとおっしゃっておりますが、既に自民党と公明党が推薦を決められて、各種団体でも、県市長会ですとか、県農政連なども推薦を決められたようであります。この段階でもまだ知事選に対する出馬する、しないというのは表明されないのでしょうか。
知事:いたしません。現在は、まさに警戒期間として、県民の皆様に最大限の警戒を呼びかけておりますし、ワクチンの接種がある程度高齢者の方々にも行き渡って、コロナ対策が今の状況と変わるところまでは、そこに全力を注ぐことが県知事の最大の仕事だと思っておりますので、それ以前に選挙云々というのは、あまり適当ではないのではないかなというふうに私自身は考えておりますので、この時点でもしっかりとコロナ対策に全力を挙げていきたいと思っています。
東京(幹事社):そうすると、今後の感染症の状況にもよりますが、表明しないまま告示を迎えるということもあり得るということですかね。
知事:どうなのでしょうかね。それは選挙をしないということかどうかですけれどもね。そこは、状況を見ながら考えるということになると思います。
東京(幹事社):ありがとうございます。他の点について、各社さん、質問がありましたらお願いします。
共同:まず、東海第二の判決について、もう少し切り込んでお伺いします。判決は、県の姿勢には影響はないということでしたが、今回の判決は、よく読むと、人口過密地域での避難計画策定に関して、実効性が担保できるか疑問があると。そもそも避難計画、人口が多いところではできないのではないかというところまで切り込んでいるわけです。というのは、何年も策定開始からたっているわけですが、なかなかできないという状況と無関係ではないはずです。
司法から策定は無理なのではないかという問いかけがあれば、当然、住民は不安に思うわけですから、県としては、県民の安心のためにも、できるのか、できないのかというところを答える必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
知事:できないことの証明って難しいですよね。できるように努力していきます。ただし、いつまでにとか、そういうことは一切言うつもりはないので、しっかりと実効性が担保できるような避難計画をつくるための努力を、時間の制限を設けることなく、しっかりと行っていきたいというのが今までの立場でありますし、判決が出た後の県の立場もそれで、それは一切変わりません。
時事:LINE関係なのですが、先日、LINEの利用者情報が、中国の関連企業で閲覧できる状態になっていたという問題が出てきまして、それが県の業務にどの程度影響するのかということで、県としては、具体的な措置を今のところ考えているのかということについて伺えますでしょうか。
知事:その問題を受けて、県でも、LINEがどれだけ庁内の業務で使われているかどうかを調査いたしました。職員間では、31の部署で46業務、それから、外の県民とのやり取りというもので使われているのが9つの部署で10業務存在しております。
このうち、問題になるのは、個人情報などの機微な情報を取り扱っているものということでございますが、我々が調べたところ、庁内、庁外とのやり取り、全部で56業務の中で、センシティブな、個人情報などを扱っているものは3件だと認識しております。
一つは、疾病対策課で、軽症者の宿泊療養施設における健康観察のために使われているもの、それから、もう一つは、保健所の一つが、コロナウイルス感染症の対応、特に外国人とのやり取りをするために使っているもの、それから、子どものSNS相談です。義務教育課で相談をする時にLINEを使って相談を受けているもの、この3つでございまして、県は、基本的に、LINEは新しくセキュリティ対策というか、個人情報保護対策を打ち出してはおりますが、総務省など他の機関の対応も踏まえて、しっかりと安全だと、個人情報(保護)に問題がないという確認がとれるまでは、なるべくこの3つの業務については、代替手段を探して使うという方針にしております。LINEを使うことは基本的に止めるということでございますが、一方で、子どものSNS相談については、LINEから離れた瞬間にもう相談してくれなくなってしまって、場合によっては、不幸な事件につながってしまう可能性もあるので、ここについては、逆の意味で、LINEを使い続ける必要があるのかなと判断しております。今は、これが茨城県の検討状況です。
時事:代替手段というのは、その他のもので言うと何があるのでしょうか。
知事:メール、あるいは他のSNSなど、LINE以外の方法でのコミュニケーションをするように、対応を切り替えていくということになると思います。
時事:わかりました。もう1点なのですが、東京五輪関係で、海外観客の受け入れ断念ということになりましたが、そこに関して、知事の受け止めというか、お考えを伺えますでしょうか。
知事:開催県の一つとしては、こういうことになってしまったことは、カシマスタジアムを通じて世界に茨城県をアピールするチャンスだと思っていましたので、大変残念ではございますが、一方、コロナ感染症、特に、最近では、ヨーロッパなども含めて変異株の話が非常に大きく取りざたされている中で、海外からの観客、観戦者を受け入れるというのは理解を得られないということで、この判断は妥当だったのではないかなと思っています。
時事:ありがとうございます。
NHK:東海第二原発の関連で、広域避難計画の中で課題となっている部分で、要員の確保というのもあると思います。そうした中で、今回の判決は、日本原電に対してもこの広域避難計画策定の必要性というものが明確になったところがあると思うのです。
原電に対して、そういった計画の策定に当たっての人員の確保ですとか、その他の部分で協力をさらにお願いしていくということは、県の方で考えていたりするのでしょうか。
知事:さらにというか、もう既に色々お願いをしておりまして、特に、どういう事故が起き得るのかということを、色々なシミュレーションなどをしながら、その状況に応じた形で、避難計画の実効性をそれぞれにおいてどう担保できるのか、できないのか、そういうことも含めてしっかりと分析できるような形にして、県民にわかりやすく伝えていくという作業を、今、しなければいけないと思っていますので、そういうシミュレーションなどのデータの提供などを既に色々お願いしているところでございます。
NHK:あともう1点、オリンピックに関連してなのですが、聖火リレーが、新型コロナウイルスの再拡大の懸念の声もある中ですが、今日始まりました。その受け止めと、今後、県内でもリレーが実施されるに当たっての感染防止の課題ですとか対応について、現状、考えていらっしゃることを聞かせてください。
知事:オリンピックの聖火リレーというのは、オリンピック全体の大きなイベントの象徴的なスタートでございますし、それが福島から出発したということで、コロナ禍がまだ続く中ではありますが、日本の国民の皆様に明るい話題を提供するという意味で、非常に大きなニュースなのかなと考えておりますし、茨城県に聖火リレーが来ることを、県民の皆様と一緒に、是非楽しみにお待ちしたいなと思います。
感染拡大を防ぐために、密を回避するような措置ということも指示を受けていますので、県としてもしっかりそういう対応ができるように、ルートは多分決まっていると思いますので、対策を国(組織委員会)とも相談しながら実施していきたいと思います。
毎日:東海第二について伺います。今回の判決は、幾つかの市町村と県で避難計画の策定が済んでいない中でああいう判断が出ましたが、知事は県の姿勢には影響はないというようなお話をされていましたが、あえて聞きますが、いつごろまでに策定を済ませるというようなお考えはあるのでしょうか。
知事:いつごろまでにということを決めずに、実効性が担保できる中身のものができるように、引き続き、作業をしていくということなのかなと思っています。いつまでにつくらなければならないということではなくて、実効性が担保できるような避難計画ができるまでつくるということだと思っています。
毎日:恐らく、その実効性の担保というのが一番難しいところかなと思うのですが、そこはどう線引きを、どうすれば担保されたということになるのでしょうか。
知事:そこは、多分、一言で言う能力は私にもないと思いますので、どういう事故を想定するのか、そういうことも踏まえながら、そういうシミュレーションをしながら、これだったら大丈夫か、あと、人によって感じ方が違う。これでは安心できないと思われる方と、これだったらいいのではないかと思われる方と分かれるような内容に多分なると思いますので、そういう時に、ではどこまで皆さんがオーケーと言ったら実効性担保と言えるのかどうか、その辺などの判断基準も難しいなとは思います。
最終的には、まずは我々自身が、これだったら何とか県民に責任を果たせそうだという避難計画をつくれるかどうかというところまでしっかりと詰めていって、その上で、様々な関係者の方々に意見を聞いていくというプロセスになるのだと思うので、その反応を見ながら、更に必要だったら更に修正を加えていくという作業が継続するのかなと思っています。
毎日:話題が変わって、昨日ですが、選抜高校野球で常総学院が1回戦を勝ちましたが、これについて何か所感があればお願いしたいのですが。
知事:感動的な最後、延長13回でしたか、4点取って、1回戦を見事に勝ったというのは、県民に対しては、特にコロナ禍のこういう状況では、非常に希望を与える力強い姿で、皆さん、勇気をもらえたのではないかなと思いますし、常総学院には、木内マジック以来の優勝を目指して是非頑張ってほしいなと思います。
読売:知事選の関係で伺います。1期目の任期が今日でちょうど残り半年ということになっていると思うのですが、1期目の公約で、知事が掲げたものでやり残していること、またはこの半年で成し遂げたいと考えていることがあれば教えてください。
知事:やり残したことはいっぱいあるのではないでしょうか。ただ、どんな公約も100%はなかなかできないということは事実でございますので、それをしっかりと見据えながら、2期目に向けて何をしていくかということを、理解を得られるように、仮に私が候補者になったら、そういうしっかりとした道筋を県民の皆様に示していく必要があるのかなと思っています。
読売:ありがとうございます。前回の会見でもちょっと伺ったのですが、多選禁止条例で、何か進捗があれば教えていただきたいのですけれども。
知事:ございません。
読売:自民党と何か意見交換をされていたりということはあるのでしょうか。
知事:特にございません。
読売:ありがとうございます。
東京(幹事社):県の河川行政についてお伺いしたいと思います。県の管理区域内である久慈川の河川区域において、50年以上、河川法違反の状態で採石業者が盛り土や建築などを行っていたという問題があるのですが、県が、50年間、違法状態を見過ごしてきたということに対して、何かお考えはありますでしょうか。
知事:事業者が、当該地に河川区域が指定される以前から操業しておったということ、保全区域に指定されても、当時の操業区域では河川法による経過措置が適用されてしまうため、許可申請が必要なかったということなどが原因で、50年間放置されてきたという結果になってしまったのかなと分析しております。
東京(幹事社):今後、県としては、この件に対してどういうふうに対応されていく予定でしょうか。
知事:県としては、無許可で大規模に盛り土をしているという河川法違反の事実を認定したわけでございますので、再三指導をしておりますし、盛り土の撤去がなされていない状況が続けば、さらに強い法的措置を前提に動いていきたいと思っています。
東京(幹事社):具体的に強い法的措置というのはどういったものをお考えでしょうか。
知事:土砂の撤去や建物の撤去を指示しておりまして、その指示に従われない状況が続けば、行政代執行ということを前提に動きたいと思っています。
東京(幹事社):例えば、期日というのは決めていますでしょうか。
事務局:期日までは、特に今のところは決まってございません。
東京(幹事社):県内には、久慈川だけではなく、那珂川など県管理の一級河川というのがありまして、防災の面では河川の適切な利用というのは大切なのかなとも思うのですが、その他、監視の強化など、そういった点はどうでしょうか。
知事:今のところ、そういう事実が他に存在するというところは確認できておりませんので、今回の事態を受けて、何かまた色々チェックする必要があるかどうかというところまではまだはっきり決めておりませんが、もうそういう事案はないのではないかなというふうには期待しております。今後、河川担当課を中心に、そういう事実がないかどうか確認する作業を今後していくのではないかと思います。
東京(幹事社):ありがとうございます。他にございますか。では、以上で終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
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