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更新日:2021年1月14日
この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は,こちらから視聴いただくことができます。
(作成:報道・広聴課)
令和3年1月14日(木曜日)
11時00分~11時35分 会見室
読売(幹事社):幹事社の読売新聞から、年頭の最初の記者会見ということで、質問を何点か差し上げます。
知事が就任されてから3年3カ月たちました。今年は1期目最後の1年となりますが、改めまして、今年の抱負と、残された任期において、県政運営で重点的に取り組みたい事柄がありましたら教えていただけますでしょうか。
知事:今年の抱負ということでございますが、現下のコロナ感染の拡大の状況をいかに食い止めていくかというのがまず第一に何よりも優先されなければいけないことであると考えておりますので、当面はコロナ感染の収束に向けて全力を尽くしていきたいと思います。その上で、コロナ後の茨城県を見通した施策にしっかりと手を打っていくということが重要だと考えております。
中長期的な観点で言えば、コロナもその契機の一つになっておりますが、世の中の転換点が、今、訪れようとしていると考えております。人口減少、コロナのような感染症、さらには米中のパワーバランスの変化、さらにはデジタル化といったような技術革新による社会構造の大幅な変化、そういうことが今まさに起きつつあるということで、その中で茨城県が地方の中でしっかりと差別化をして生きていくために必要な施策をしっかりと打っていきたいと思います。
その中で、政策を横串で通して考えなければいけないことは、今までの前例、あるいは横並びで行政を運営できていた時代は終わって、スピード感や選択と集中、あるいは失敗を恐れないというような考え方をしっかりと根づかせていくことが一番重要なのではないかなと考えております。
読売(幹事社):2件目なのですが、新型コロナ関連でございます。年末年始以降、県内の感染状況は悪化の一途をたどっておりまして、ここ数日を見ても高止まりの傾向が依然続いております。茨城県では、全県での外出自粛要請と飲食店に対する時短要請をもう既に行って、対策も強化されておりますが、今現在、知事から見て、その取り組みの効果についてどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
知事:率直に申し上げて、まだ期待された効果はあらわれていないと見ております。今日も、この後になりますが、100人を超える感染者が発表になりますので、まだまだ感染の拡大を抑えるという状況にはいっていないと思います。今、詳細に、それぞれ継続的に感染が発生している市町村を中心に、どういう感染経路で感染が発生しているのか、我々がさらに追加で手を打つべき対策がないかどうかなども分析をしております。また、それに加えて、病床についても、今月末に500床の体制を整える準備をしておりますが、さらにそれに追加して、70床から80床追加できるような体制も、今、準備をもう既に始めたところでございます。
そういうことも含めて、全力をもって効果をしっかりと出して、収束に向かえるような努力をしていきたいと思っています。
読売(幹事社):確認ですが、今日、100人ということで、今日時点で政府に対する緊急事態宣言の要請は。
知事:まではいきません。
読売(幹事社):知事、これまでにもお話しされてきたと思うのですが、政府への緊急事態宣言要請も今や現実味を帯びてきている中で、県としても、仮に宣言対象地域になった場合、既にやっている外出自粛要請と時短要請という大きな柱は変わらないのかなと思うのですが、宣言対象地域になった場合、県民や事業者に対して、どういった対応や措置を求めていくお考えでしょうか。
知事:緊急事態宣言自体でさらに追加の対策というものは、営業時間の短縮のような要請にまで至らない、「働きかけ」という表現で言われているようなことを飲食店以外の施設に対しても行うということが追加になると理解しております。ただ、一番の対策の幹になる部分というのは、外出自粛と飲食店への8時以降の営業時間要請ですので、そこについては大きく変わることはあまりないのかなと思います。
支援策なども、今後、緊急事態宣言の対象になっているところでなくても、緊急事態宣言の対象と同様な、例えば、協力金の4万円から6万円への引き上げなどについて、政府の方で検討するという発言が、昨日、菅総理の方からもございましたし、そういうことがあると、中身自体がそんなに大きく変わることはないと思います。ただ、皆さんに対してのアナウンス効果というか、行動を変えなければいけないという危機感を醸成するという意味では、大きな意味があるのではないかなと思っています。
読売(幹事社):緊急事態宣言対象地域には、新型インフルエンザ対策特別措置法の45条を活用した対策ができるようになると思うのですが、知事はそういう要請に協力しない飲食店の店舗名についての公表はいかがお考えでしょうか。
知事:必要であれば公表もするということになると思いますが、これだけの数の飲食店を継続的に監視して、協力してくれないところを拾い上げるだけでも膨大なコストがかかってしまうので、なかなか現実的には難しいのかなというのが個人的な感想です。
読売(幹事社):最後に、3点目なのですが、1月のこの時期になりまして、新年度当初予算編成の時期にさしかかったと思うのですが、現時点での話せる範囲での進捗状況と、今回、コロナ禍での予算編成となるのですが、コロナ禍での重点課題を上げるとしたら、どういった点がありますでしょうか。
知事:予算編成は内部的にもこれからですので、あまり言えることはございませんが、とにかくコロナ対策でできる限りの必要な予算を投入して、コロナ感染の防止を図るという、まずこれにほぼ尽きてしまうのではないかなという感じはいたしております。
その中で、オリンピックの年でもありますし、来年度については、コロナ後を見据えたような飛躍の芽をしっかりとまいていくということも必要なのかなと思います。
コロナ感染症が広がる以前の,前年度の茨城県のさまざまな施策もある程度効果が上がっていたと評価しておりますので、しっかりとコロナ後に茨城県がまた飛躍ができるように準備ができるような、そういう予算編成をしたいと思います。
読売(幹事社):幹事社からは、以上です。各社、お願いいたします。
NHK:知事もたびたび緊急事態宣言要請についての基準というのを示されてきましたが、改めて、県民に、どういった状況になったら要請を行われるかという考えと、現状の感染状況というのは、その中に対して、今、どの位置にあるのかということを教えていただけますか。
知事:現在、410床で、病床の稼働率が50%を若干超えています。51%ぐらいだったと理解しておりますが、月末までにこの410床が500床まで増やせることになっています。その500床を前提に、その6割、約300床ということになると思いますが、300床を超えてくるということになった場合には、それだけで直ちにということにはなりませんが、超えてくるようになった場合には、緊急事態宣言の発出を要請する検討に入りたいと思っています。
NHK:現状の感染状況は、それに対してどれぐらいというふうに、今、お考えですか。
知事:今日も100人を超えていますので、この状況で拡大が続くと、そんなに先ではない時期に緊急事態宣言の要請を検討せざるを得なくなるのではないかなと危機感を持っております。
NHK:もう1点、お伺いします。神奈川県や東京都などでは自宅療養の方が亡くなるケースが出ています。茨城県でもそういったケースがあるのか、今後そういうのが起きないように、どういった対策を行うという考えを教えてください。
知事:私も報道などでも認識しておりますが、入院先が手配されないために自宅療養を続けざるを得なくて、その中で適切な医療を受ける機会を逃して死亡に至った可能性のあるケースが出てきていると認識しております。
現在、茨城県では、宿泊療養施設、入院施設についても速やかに対応ができる余裕がまだございますので、そういう事態はまだ起こっていないのではないかなと理解しています。本人がどうしても自宅にいなければならないとか、例外的なケースを除いて、基本的には、感染の方には宿泊療養施設、あるいは病院に入院していただく、そのどちらかをきちんととっておりますので、まだ茨城県にそういう心配はないのではないかなと認識しております。
NHK:ありがとうございます。
共同:幾つかお伺いします。まず、コロナ特措法の改正の動きについてです。入院しない患者について、懲役刑を含む罰則をつけるという議論が進んでいますが、これについてどうお考えでしょうか。
知事:感染症は感染された方を隔離するというのが対策の根本でして、そんなに多くはないと思うのですが、例外的なケースだと思うのですが、もし感染された方が保健所の指導を無視して、日常的に他の人と接触するような行動をとってしまった場合には、やはり強制力をもって隔離をするということを手段として持っておくのは必要なのではないかと思いますし、当然ではないかなと思います。
そういうことをどう運用するかという問題はまた別にあるとしても、法令としてそういう手段があるということは非常に重要なのではないかなと私は思います。
共同:それに加えて、もう1問、緊急事態宣言に関してなのですが、今回、また7府県に拡大したこと自体に対して所感はどうでしょうか。
知事:7府県が指定されましたが、福岡県を除けば地元の各知事からの要請もあったので、指定は当然なのではないかと思います。福岡県は若干認識の差があるみたいな報道もございましたが、大都市圏ということで、もしかしたら予防的に緊急事態宣言の対象にされたのかと思いますが、もし指定されるなら、速やかに指定することが重要だと思いますので、福岡県も含めて、指定されたことは適切だったのではないかなと思っています。
共同:ありがとうございます。最後に、ちょっと話がずれるのですが、既に一部報道も出ていますが、知事選の再選出馬に関しては、現状、どのようなお考えでしょうか。
知事:私ども、現在のコロナ感染対策に全力を傾けておりますので、その辺についてはまだコメントすることは何もございません。
茨城:コロナの感染拡大の影響で、時短営業の飲食店の協力金の支払額の見込みも大幅に増えていると思いますが、そのあたりの対応と予算措置の状況についてお聞かせいただければと思います。
知事:協力要請の対象の飲食店の数は、酒類提供だけではなく飲食店全体に広げたこと、それから、期間も延ばしたことなどから、当初予定していた予算では不足が生じてきたために、今月の20日分までは専決処理をさせていただいておりまして、その後、議会で臨時会を開いて、その先に不足する分についてはご審議いただいて、ご承認いただくという手続きを今、踏んでおります。
茨城:そのあたりの補正の規模はどのぐらいになりそうですか。
知事:これは調整中です。
茨城:緊急事態宣言の話ですが、7府県が追加になりまして、栃木県など近隣県も対象になってきていると思うのですが、そのあたりのことを受けての茨城県の対応というか、具体的なものがあれば教えていただけますか。
知事:今回、栃木県が指定されましたが、それに伴って直ちに何が変わるかということではないと認識しております。栃木県の1万人当たりの新規感染者数は4を超えてきて、東京都、神奈川県に次ぐ数字なのではないかなと思いまして、かなり深刻な状況になっていると見えますので、今回、福田知事からの要請で緊急事態宣言の対象となったのは、ある意味、適切だし、当然なのかなと思いますが、翻って、では茨城県はどうかというと、まだそういう状況には行っていないので、我々は、県としてもう少し努力をしなければいけないのではないかなと認識しております。
茨城:ありがとうございます。
茨城:先週、台湾の半導体大手のTSMCがつくばに開発拠点を設けるという報道があったのですが、それについてどう受け止めていらっしゃるのか。
知事:そういう情報があるということは報告を受けておりますが、まだ明確に決まったわけでもないということでございますので、我々としては、TSMCの開発拠点がつくばの周辺に来てくれるということが実現すれば大変すばらしいことですので、その実現に向けて働きかけたいと思っています。
読売(幹事社):緊急事態宣言に関連してなのですが、外出自粛を要請しても、全国的に前回の宣言の時に比べて人出が減っていないという話が出ています。茨城県も、現在、全県に外出自粛を要請していて、実際にどのぐらいの人出が減っているかというのはまだわからない部分はあると思うのですが、全国的にあまり人出が減っていない、宣言の効果があまり出ていないのではないかと言われていることに関して、知事としてはどう見られていらっしゃいますか。
知事:おそらく皆さんもお感じになっていると思いますが、4月から5月にかけての最初の緊急事態宣言の時期に比べて人通りの減り方が足りないというのは事実なのではないかなと思います。
我々も、昨年の3月からずっとコロナとの戦い、あるいは共生をしながら、どういうところで感染する可能性が高いかということをある程度学んできているということもありますし、慣れてきてしまったということもあると思うのですが、そこは、できれば、県民の皆様のご理解を得ながら、特に感染が爆発しかけているこの時期は、前回同様の外出自粛をお願いできればと思います。
また、外出をする、しないにかかわらず、マスクを外す機会が最も感染の可能性の高まるポイントですので、そこをしっかりと意識していただいて、普段、ご一緒に過ごしていらっしゃるご家族以外での会食などをできるだけ避けるように、マスクを外す機会を減らすようにしていただければなと思っています。
読売(幹事社):もう2点なのですが、1点目に、成人式について、県内では各自治体の判断で中止または延期、あとはやるというところがあったと思いますが、この三連休の成人式については、知事としては、今振り返って、どうだったとお感じになっていらっしゃいますか。
知事:成人式を中止、延期と判断をされたところは別として、成人式をされたところについても、各自治体は、感染拡大を防ぐためのさまざまな工夫をされていたと認識しております。
また、直前の記者会見でも私からもお願いをしましたが、会食などを避けて、成人式後もマスクをつけたまま自宅に帰っていただくということを各自治体の首長さんから直接要請いただいたという話も聞いておりますので、そういう指示に従って無事に開催されたのではないかなと期待しております。
ただ、感染拡大状況については、多分、数日後ぐらいには成人式の人の動きの結果がまた反映されてくると思いますので、コロナ感染対策としては注視していかなければならないポイントなのではないかなと思っています。
読売(幹事社):最後に1点、先ほど、今年は五輪の年だというお話がありましたが、改めて、五輪の開催についてまだ見通しがわからない部分はありますが、開催されることを前提とした上で、コロナ対策と平行してどのように開催していくか、また、開催地としてどのような五輪にしたいかということがあれば教えてください。
知事:最終的には、IOC、あるいは日本の組織委員会などが中心になって、どういう開催形態にするのかということを決めていくのではないかなと思いますが、我々、開催県の一つでございますので、開催を前提にしっかりと準備を進めていきたいと思います。その際には、選手、あるいは観客、さまざまな関係者の方々の感染防止をあわせてどう徹底していくかということも含めて、今から怠りなく準備をしていく、これに尽きるのではないかなと思っています。
産経:先ほどの質問の中で、成人式に関連してなのですが、今のところ、成人式に関連するような感染事例というのは確認されてはいないのでしょうか。
知事:今のところ、確認しておりません。
産経:ありがとうございます。それから、もう1点、各地の人出についてなのですが、例えば、県有施設とかで実際にどれぐらい人が入っているのかという数はカウントしていたりするのでしょうか。
知事:明確にカウントしていないので、そこについては承知していません。
産経:わかりました。では、普段と比べて少ない、多いというのは。
知事:ちょっとわからないです。
産経:わかりました。ありがとうございます。
茨城放送:今週、水戸で行われる予定でしたプロバスケットボールBリーグのオールスターゲームが中止になりました。この判断、所感及び今後のオールスター誘致ですとか、その辺というのはどういうふうに考えられますか。
知事:これは、県が決めるというよりも、Bリーグ、ロボッツのオーナーである堀さんなどのお考えとかご意向が中心になるのではないかなと思っています。
ただ、私が掘さんから伺ったのは、無観客でやるよりは、中止して、2年後の開催を目指したいというお話をされておりましたので、そういうご判断に基づいての中止決定なのではないかなと思っています。
茨城放送:今後もオールスター誘致に関してはいろいろと力を尽くされるということになるのか、そのあたりはどうですか。
知事:それは私に対する質問ではなくて、ロボッツに対する質問ではないのでしょうか。
茨城放送:確かにそういう部分がものすごく大きいと思いますけれども。
知事:茨城県が率先して誘致するという立場にはありませんので、その質問に対するコメントは差し控えたいと思います。
茨城放送:ありがとうございました。
東京:先ほど、知事選の話、今、コメントする段階ではないということですが、自民党県連側によると、知事は、昨年末に梶山県連会長とお会いになって、推薦要請をしたというふうに説明をされているのですが、それは事実でしょうか。
知事:梶山会長にお会いしたのは事実ですが、それ以外についてはコメントを差し控えたいと思います。
東京:どういう話をしたかということはコメントしないということですね。
知事:コメントを差し控えたいと思います。
東京:いつごろ、知事選に対する態度表明はなされるお考えですか。
知事:それについてもお答えはできません。コメントを差し控えたいと思います。
東京:わかりました。
共同:最近になって、知事は、コロナの出口戦略についても言及されるようになりましたが、現状で茨城県でこういったものが必要、もしくは既に検討を始めているものがあればお聞かせください。
知事:出口戦略というのは。
共同:コロナ後の世界を見据えてということでもありましょうか。
知事:コロナ感染のいろいろな制約を取り払う時期ではなくてですね。出口戦略というと、どちらかというとその話で言葉として使われることがあるので、コロナ後の世界だということでは、先ほど、冒頭でもお答えしたのですが、おそらく、コロナの感染症も世の中の転換点をつくり出した一つの要因ですが、それ以外にもさまざまな要因が大きな社会の変化をもたらしてくると考えております。
人口減少しかり、大きな世界のパワーバランスの変化しかり、それから、技術革新による大幅な社会生活の変化、産業形態の変化もそうです。また、先ほどちょっと申し上げましたが、気候変動に対する取り組みも世界中で加速されようとしておりますので、これなども非常に我々の生活に大きな影響を与えると思います。
まず、直接的には、今まで我々が培ってきた産業なり経済活動が、場合によっては時代遅れになる可能性、あるいは、取り残されてしまう可能性というのもありますので、不断に我々自身が新しい環境をある程度見据えながら、変わっていくための努力というのは必要だなと思っていますので、引き続き、新しいベンチャーの育成、あるいは企業の誘致、あるいは経営体質の強化というような茨城県の経済力をある程度きちんと維持できる体力を速やかにつくっていく。そのために自分たち自身が変わっていくことを恐れないようなマインドをつくっていくということが最もコロナ後を見据えた政策として重要なのではないかなと考えております。
その上で、それがあって初めて、教育とか社会保障とか医療とか、さまざまなものに対するきちんとした投資が回っていくということなので、そもそも税収がなくなってしまうような社会になってしまってはいけないということで、そこについては、まず真っ先にやりたいなと思います。
そのための一環として、教育改革などもその裏側としてあるのですが、そういうことを引き続き強力に進めていきたいと思います。
茨城:病床の体制について伺います。先ほど、知事の方から、500床以外に、またさらに70床、80床増やす準備を進めている、検討しているというお話がありましたが、現状で、コロナ対応に当たっている病院にさらに追加負担をお願いするのか、それとも、負担を分散させるために、新たな病院に参入してもらうというか、協力をお願いしていくのか、どういう形で増やしていくお考えなのでしょうか。
知事:その両方です。500床からの追加の分については、その両方、既存の協力病院に対する増床の要請に加えて、新たな病院に対して、コロナ病床の設置、その両方で増床を目指していきます。
茨城:今のところは500床までの拡大要請ということで、さらに570床、580床まで拡大を要請するというお考えでは、すぐにというお考えではない。
知事:すぐにではないですが、もう準備は始めています。いつでも増やせるようにということです。
茨城:わかりました。関連してなのですが、今、現状の計画上限の500床まで拡大するという状況に来ている中で、通常の医療との両立という点では、何か制限せざるを得ないですとか、そういった事態にもなっているのか、現状の認識というのはいかがでしょうか。
知事:通常の医療を制限しなければならないという事態に立ち至っている事例というのはまだ私の方には報告がないので、私自身は認識しておりません。これだけ数が増えてくると、今後、そういう状況があってもおかしくないとは思うので、しっかりと現場の状況を把握していきたいと思います。
ただ、病床稼働率でいっても、まだ50%を若干超えた程度ではありますし、そういう意味では、もう入院先がない、それから、コロナ感染症の患者を受け入れるために他の患者を犠牲にしなければならないというような、東京とかそちらの方で起きている病床稼働率が7割から8割、あるいは9割近くまでいっているようなところとは若干様相は違うのではないかなと思います。
TBS:知事は、先ほど、コロナや米中の関係のバランスなどで、新たな経済の今後のバランスとか方針とか、必要な転換期の一つということでありますが、日本の政府として、ガソリン車の新車販売をやめるというようなエネルギー問題も今後出てくると思うのですが、茨城県で言うと、原子力の発電所だったり、今後のエネルギーですと、火力、水力とか太陽光とかいろいろありますが、そういうエネルギー問題に関して何かご所見がありましたら、よろしくお願いします。
知事:エネルギー問題に対しての。
TBS:何か考え、ご所見がありましたら。
知事:菅総理からもご就任時にご発言がありましたように、気候変動問題は全人類が取り組まなければならない待ったなしの課題であると認識しております。その中で、日本もついにカーボンニュートラルを目指すということをしっかり打ち出されたわけなので、当然、茨城県としても、それに対応した政策・対策というのをしっかりと行っていきたいと思っています。
TBS:その中には、例えば、原子力の再稼働に関連することも案の一つに入るということになるのでしょうか。
知事:原子力は、当然、温室効果ガスを排出しないエネルギー源という位置付けにはなっております。ただ、一方で、原子力の事故が起きた時の被害の大きさ、福島第一原発の事故で我々は教訓を得たわけですので、それを踏まえた対策というのもまた別途行っていかなければならない。その中で、県民の皆様が納得できるような形で東海第二原発を位置付けていくということなのではないかなと思っています。
茨城:今週末、全国共通テストがセンター試験から切り替わって初めて行われます。受験生たちは、コロナや長期休校を乗り越えていよいよ本番を迎えるということですが、その辺に関して、知事の所感をお願いします。
知事:今年の受験生は、今までなかった環境の中で努力を重ねて、この場に臨んでこられたのかなと思います。是非、持てる力をしっかり発揮していただきたいと思いますし、我々受験を支える側の立場の行政側としては、しっかりとスムーズに皆さんが力を発揮できるような環境でテストが無事行われることをしっかりと支えていきたいと思います。
茨城:ありがとうございます。
読売(幹事社):コロナ後を見据えた,社会が変容する中で,知事自身はこの1年ぐらいの中で向き合ってきて,何か自分自身の見方とか価値観が変わったようなことがあったりしましたでしょうか。
知事:自分自身の生き方ですか。
読売(幹事社):価値観とかが変容したとかです。
知事:変わったかどうかは別にして、人生何があってもおかしくないということは、今回、つくづく感じました。コロナ感染症で、このように社会が動きを止めざるを得なくなって、皆さんが行きたいところ、やりたいことをできなくなってくるというのは、こういう事態が来るとは、まさか1年前には全く想像すらしていなかったと思いますので、大事なことは、こういう今まで経験していなかったことが常に起こる可能性があるということをしっかりと肝に銘じておくことなのかなと。それに対して、よく英語でResilienceなどと言いますが、自分の生活とか生き方とか、そういうものをしっかり新しい環境の中で立て直す力というのを我々はつけていかなければいけないのかなということを、日々、感じております。
読売(幹事社):各社、いかがでしょうか。では、知事、どうもありがとうございました。
知事:ありがとうございました。
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