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更新日:2024年1月1日
労働争議の調整とは、労働委員会が労働者の団体(労働組合、争議団)と使用者との間に起きた紛争について、解決の糸口を見いだすための手助けを行うものです。
労働委員会が行う労働争議の調整には、あっせん、調停、仲裁の三種類があります。
どの方法によって調整を行うかについては、当事者が選択できます。このうち、あっせんの方法が最も多く利用されています。
これらの調整の方法の相違点は、概ね次のとおりです。
区分 |
開始要件 |
委員構成 |
調整の機能・効果 |
---|---|---|---|
あっせん |
1.労使双方からの申請 |
あっせん員 (事件により異なる) |
労使双方の妥協点を見出し、争議が解決するように努める(あっせん案の提示、勧告等)。 あっせん案の受諾について、当事者は法的に拘束されない。 |
調停 |
1.労使双方からの申請 |
調停委員会 通常、公益委員・労働者委員・使用者委員各1名ずつの3名の調停委員から構成される。 |
調停案を提示して労使双方に受諾を勧告する。 調停案の受諾について、当事者は法的に拘束されない。 |
仲裁 |
1.労使双方からの申請 |
仲裁委員会 通常、公益委員3名又は5名の仲裁委員から構成される。 (労使当事者が指名した労働者委員・使用者委員は意見を述べることができる) |
仲裁裁定を行う。 当事者は、仲裁裁定に従わなければならず、その効力は労働協約と同一である。 |
※労働関係調整法による調整をする場合に、労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、使用者がその労働者を解雇したりその他不利益な取扱いをすることは、不当労働行為として労働組合法第7条第4号によって禁止されています。
最も多く利用されているあっせんのながれについて、ご紹介します。
あっせんは、あっせん員候補者の中から労働委員会の会長によって指名されたあっせん員が、当事者の仲立ちをして双方の主張の要点を確かめ、対立点を明らかにしながら、当事者間の話し合いを取り持ち、あるいは主張を取りなすことにより、争議の解決を図る手続きです。
なお、あっせん員候補者は、15名の労働委員会委員のほか、3名の事務局職員が、あらかじめ労働委員会から委嘱されています。
以下の事例は、茨城県労働委員会で実際に取り扱った調整事例をもとに、多少内容を変更しています。
労働争議の調整のご理解のための参考としてください。
※争議の実状が調整に適さないと認められる場合は、調整を行わないこともありますので、調整の対象になるかどうか疑問がありましたら、申請書を提出する前に、事務局に相談してください。
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