ここから本文です。
更新日:2020年6月22日
平成19年6月 きのこ特産部 マイタケは,今では一年中スーパーなどで販売されていますが,これはオガクズに栄養源を混ぜた培地を使い,冷暖房完備の施設で栽培された「菌床栽培」によるものです。一方,広葉樹の丸太に菌を繁殖させて林床へ埋め込み,自然の環境下できのこを発生させる栽培方法は,「原木露地栽培」と呼ばれています。原木露地栽培で作ったマイタケは,菌床栽培のものと比べて,味,香り,歯ごたえともに天然物に近く,高い人気がありますが,県内における発生時期が秋の9月中旬~10月上旬頃に集中してしまうという大きな欠点があります。 当林業技術センターでは,毎年春に発生するという野生のマイタケを入手し,菌糸体を分離・培養し,栽培化に向けた試験を繰り返して実施した結果,5月中旬~6月上旬にきのこが発生し,本種が原木露地栽培において「春に発生する」という,とても珍しい性質を持つことを確認することができました。なお,これまでの研究により,現段階で次の事項が明らかとなっています。 1.平成16年にほだ木(培養した原木)を林床に埋め込んだ試験区では,平成17年,18年,19年の春に3年続けてきのこの発生が認められました。 マイタケの原木露地栽培では,ほだ木一代の発生が5~6年間続くため,今後も継続して収量調査を行うとともに,繰り返して栽培実験を行い,総収量や春季発生の安定性等について,さらに詳しく研究を進めていきます。
|
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください