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更新日:2016年5月19日

スギ次代検定林の成長解析に関する研究

研究報告No.18-3(要旨)

在の精英樹群から不適切な系統を除去し採種園の体質を改善することが、育種効果を高めるうえで必要である。それ故、次代検定林の生長解析は欠かせない。そこで、本研究では以下の解析を行った。

1.関茨9号次代検定林の生長と立地修正

この検定林の10年目までの生長経過を分散分析した結果、樹高、胸高直径ともに系統間に有意差が認められたが、15年目の結果では、樹高生長に有意差が認められなかった。この原因は、立地や環境要因等の相違の影響によってデータに歪みが生じたためと推察された。
そこで、立地や環境要因等の相違の影響で成育不良となった個体を集計値から除去した結果、指数3までの測定値を集計値から除くと、系統間に5%水準で有意差が認められた。以上のことから、立地や環境要因等の相違の影響で成育不良となった個体を集計値から除くことが重要と判断された。しかし削除する基準を厳しくすると、生長の悪い場所のデータが著しく減少し、系統本来の特性を歪める可能性がある。そこで、削除する基準の算出方法として、検定林内で大きな地力の相違をとらえ、この違いによってプロットを分割して、その分割したプロット内のデータを指数化することによって不適切な個体のデータの除去を検討する必要がある。

2.関茨1号の生長と関茨9号の比較

茨1号次代検定林は、(1)斜面に対し、平行に植栽されている、(2)各ブロックに共通しているクローンがほとんどない等の理由から、生長の良否を統計的に判定することは出来なかった。しかし、クローン苗でも対照とした実生苗より、生長が良いクローンが確認できた。また、クローン苗と家系苗両者間の樹高生長の相関は、1%水準で有意であった。以上から、種子繁殖でも無性繁殖同様育種効果が高いことが確認できた。

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