更新日:2023年4月24日

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信号機設置の指針

目的

この指針は、道路交通法(昭和35年法律第105号)第4条第1項の規定に基づき、都道府県公安委員会が信号機を設置し、及び撤去する場合の一般的事項を定めることを目的とする。

定義

この指針において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

  1. 自動車等
    自動車及び原動機付自転車をいう。
  2. 人身事故
    人の死亡又は負傷を伴う交通事故をいう。
  3. 物損事故
    人身事故以外の交通事故をいう。
  4. 遅れ時間
    混雑又は信号待ちにより発生する遅延時間をいう。
  5. 自動車等往復交通量
    相互通行する2方向の自動車等の交通量の合計をいう。
  6. 自動車等流入交通量
    交差点へ流入する1方向の自動車等の交通量をいう。
  7. 主道路
    交差する道路のうち自動車等往復交通量が多い方の道路(交差する道路がない場合は当該道路)をいう。
  8. 従道路
    主道路に交差する道路をいう。
  9. ピーク1時間
    1日のうち交差する道路の自動車等往復交通量の合計が最大となる1時間をいう。

信号機の設置及び撤去の方針

信号機は、交通の安全と円滑を図ることを目的とし、交差点又は横断歩道において交通流を時間的に分離し、交通流の交錯による交通事故の発生を防止するとともに、一定以上の交通量がある場合は交差点の処理能力を改善し、遅れ時間を減少させることができる。しかし、信号機の設置が適切でない場合及び必要性の低下した信号機を撤去しない場合には、信号無視を誘発するほか、自動車等を不要に停止させ遅れ時間を増加させるなど、交通の安全と円滑に支障を及ぼすおそれがある。

したがって、信号機の設置に当たっては、事前に交通量、交通事故の発生状況、交差点の形状等を調査・分析するとともに、他の対策により代替が可能か否かを考慮した上で、真に必要性の高い場所を選定するものとする。
また、交通環境の変化等により、交通量が減少したり、利用頻度が低下した信号機については、他の対策により代替が可能か否かを考慮した上で、信号機の撤去を検討するものとする。

信号機の設置の条件

信号機を設置する場合は、信号機を設置しようとする場所が、次の(1)のいずれの条件にも該当するとともに、原則として(2)のいずれかの条件に該当すること。
なお、道路の新設、拡幅、大型公共施設の設置等の場合にあっては、信号機を設置しようとする場所が、次の(1)のいずれの条件にも該当することが見込まれるとともに、原則として(2)のいずれかの条件に該当すると見込まれること。

(1) 信号機の設置のための必要条件

 一方通行の場合を除き、赤信号で停止している自動車等の側方を自動車等が安全にすれ違うために必要な車道の幅員が確保できること。

 歩行者が安全に横断待ちをするために必要な滞留場所を確保できること。ただし、歩行者の横断がない場所については、この限りではない。

 主道路の自動車等往復交通量が最大となる1時間の主道路の自動車等往復交通量が原則として300台以上であること。

 隣接する信号機との距離が原則として150メートル以上離れていること。ただし、信号灯器を誤認するおそれがなく、交通の円滑に支障を及ぼさないと認められる場合は、この限りではない。

 交通の安全と円滑に支障を及ぼさず、かつ、自動車等の運転者及び歩行者が信号灯器を良好に視認できるように信号柱を設置できること。ただし、信号柱を設置せずに、自動車等の運転者及び歩行者が信号灯器を良好に視認できる場合は、この限りではない。

 

(2) 信号機の設置のための択一条件

ア 信号機を設置しようとする場所又はその付近において、信号機の設置により抑止することができたと考えられる人身事故が信号機の設置を検討する前の1年間に2件以上発生しており、かつ、交差点の形状、視認性、車両の速度、当該場所における物損事故の件数等から事故発生原因を調査・分析した結果、交通の安全の確保のため、他の対策により代替ができないと認められること。

イ 小中学校(特別支援学校の小中学部を含む。)、幼稚園、幼保連携型認定こども園、保育所、児童公園、病院、養護老人ホーム等の付近において、生徒、児童、幼児、身体障害者、高齢者等の交通の安全を特に確保する必要があること。

ウ 交差点において、ピーク1時間の主道路の自動車等往復交通量及びピーク1時間の従道路(従道路が複数ある交差点にあっては、最も自動車等流入交通量の多い従道路)の自動車等流入交通量が、図「信号機の設置及び撤去における自動車等交通量の条件」(別添)で示す領域1にあること。

歩行者の横断の需要が多いと認められ、かつ、横断しようとする道路の自動車等往復交通量が多いため、歩行者が容易に横断することができない場合であって、直近に立体横断施設がないこと。

信号機の撤去の考え方

  1. 交通環境の変化等により、信号機を設置している場所が4の条件に該当しなくなったときは、信号機の撤去を検討するものとする。
  2. 一灯点滅式信号機その他の常に灯火の点滅を行っている信号機については、一時停止の交通規制その他の対策により代替が可能な場合は、信号機の撤去を検討するものとする。

信号灯器の設置の考え方

  1. 歩行者用灯器
    信号機により交通整理の行われている交差点において、横断歩道がある場合は、
    原則として歩行者用灯器を設置するものとする。
  2. 車両用灯器
    1流入路につき1つの車両用灯器の設置を原則とする。
    また、道路の形状、車道の幅員等を勘案し、特に車両用灯器の視認性を確保する必要がある場合は、2つ以上の車両用灯器を設置するものとするが、車両用灯器のLED化や道路改良等で視認性が向上した場合は、現場の状況に応じて車両用灯器の撤去を検討するものとする。

留意事項

  1. 信号機の設置に当たっては、設置の効果、緊急性等を勘案し、より必要性の高いものから設置するものとする。
  2. 信号機の設置の検討に当たっては、必要に応じて他の交通規制を併用するなど安全な交通環境を確保することに留意するものとする。
  3. サイクル、スプリット、オフセット等の信号の表示時間の設定については、交通事故の発生、遅れ時間の増加、信号無視の誘発等の原因となるなど、交通の安全と円滑に大きな影響を与えることから、信号機の設置後においても、交通状況等に応じた適切な信号の表示時間の設定に努めるものとする。
  4. 信号機の設置又は撤去の検討に当たっては、地域住民及び道路利用者の意見に十分配意するものとする。
  5. 信号機の設置又は撤去の検討の結果、他の対策として、ハンプ、狭さく、カラー舗装、カーブミラー等の設置、環状交差点の導入のための交差点改良その他の道路改良等が有効と認められる場合には、道路管理者と緊密な連携を図るものとする。

 別添

信号機の設置及び撤去における自動車等交通量の条件

(図)信号機の設置及び撤去における自動車等交通量の条件

注:ただし、ピーク1時間の主道路の自動車等往復交通量が300台未満であっても、1日のうち、ある1時間において、主道路の自動車等往復交通量が300台以上となる場合は、主道路の自動車等往復交通量が最大となる1時間をピーク1時間と置き換えることができるものとする。

ラインの考え方
最低交通量のラインA

1時間の自動車等往復交通量が概ね300台以下となると、歩行者が信号無視をする割合の上昇が急となる傾向が見受けられたことから、300台を最低交通量のラインAとして設定した。

円滑化の基準のラインB

従道路に一時停止規制がある信号のない交差点において、従道路に渋滞が発生する限界交通量を算出する数式を円滑化の基準のラインBとして設定した。このラインより上側の領域(ライン含む)では従道路に渋滞が発生し、下側の領域については従道路に渋滞が発生しないと考えることができる。

領域の考え方
領域(0)

理論的に描画されない領域(網掛け部分)

領域(1)

設置: 交通の円滑の確保の観点から、信号機の設置が可能な場所
撤去: 交通の円滑の確保の観点から、原則として信号機の撤去について、環状交差点の導入等の十分な検討を要する場所

領域(2)

設置: 交通の円滑の確保の観点から、信号機の設置を要しないが、交通の安全の確保の観点から信号機の設置について検討できる場所
撤去: 交通の安全の確保の観点から、問題がない場合については、信号機の撤去について検討できる場所

領域(3)

設置: 原則として信号機の設置を要しない場所
撤去: 原則として信号機の撤去の検討を要する場所

 

関連情報

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担当課:交通部交通規制課

連絡先:029-301-0110