今回の成果発表会では、相アセンター長から「霞ヶ浦の水質変動について」と題した講演をするとともに、当センターで実施している事業の中から、霞ヶ浦の水質(浄化)や光化学オキシダント、環境学習に関する調査研究について発表をしました。
また、今年度は当センターの設立10周年の節目として、10年間の成果をまとめたポスター発表の時間も設け、参加された皆様と活発な意見交換を行いました。
霞ヶ浦の水質は時代によって傾向が変化しています。本講演では、当センターの任期付研究員を勤めていた中村剛也氏、花町優次氏の研究成果をもとに、 COD等の水質変化の要因について解説しました。また、近年のCODの低下については、ミジンコ類の大量発生や大雨の希釈効果にも触れました。今後の課題として、“泳げる霞ヶ浦”の視点からみた水質の現状や候補地点などを示しました。
霞ヶ浦ではMicrocystisという藻類が主にアオコの原因となります。本発表では、遺伝子を定量するリアルタイムPCRを用いて、湖水や底泥中のMicrocystisの量を調査し、平面分布状況について報告しました。
ハス田は霞ケ浦の周辺に広がり、過剰な施肥により窒素やりんなどの栄養塩類が流出し、水質汚濁の原因となる事が考えられています。本発表では、栄養分の溶出を調整した肥料を使用する事による負荷削減効果について報告しました。
茨城県では昭和59年度以降、オキシダントに係る環境基準が達成できない状況が続いています。本発表では、植物起源と人為起源の揮発性有機物について調査し、トルエンなどの人為起源の物質による影響が大きいことを報告しました。
当センターでは「湖上体験スクール」のプログラムの一部として、センターの庭を活用した野外観察を行っています。本発表では、その野外活動の内容紹介とアンケートを通してわかった学習効果について報告しました。
茨城県霞ケ浦環境科学センター 湖沼環境研究室
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