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第1回(第7回世界湖沼会議:アルゼンチン、1997年)受賞論文一覧
No.1
- 受賞者(代表者):
マグドルナ・アブラハム Prof.Magdolna ABRAHAM
- 国・地域名:
ハンガリー
- 論文題名:
NOVEL METHODS FOR BIOMONITORING OF WATER POLLUTION IN LAKE BALATON
- 分科会(分野):
第1 生物モニタリング
- 研究人数:
10名
- 発表論文概要(要旨)
水環境の汚染の変化を速やかにとらえられるよう、魚類の化学物質に対する代謝酵素活性を調査した。ウナギやコイの肝臓の酵素活性では、ウナギが最も高く、生態と栄養状態に影響されている。
- 選考委員会における評価概要
バラトン湖の生態について、淡水魚に着目し、その体内蓄積、残留性を考慮しているのは優秀であり、今後の継続調査、研究を奨励するためにも、受賞にふさわしいレポートである。
No.2
- 受賞者(代表者):
アデリーナ・サントス・ボーラハ Adelina C.SANTOS BORJA
- 国・地域名:
フィリピン
- 論文題名:
THE LAGUNA DE BAY ZONING AND MANAGEMENT PLAN FOR FISHERIES
- 分科会(分野):
第3
漁業
- 研究人数:
1名
- 発表論文概要(要旨)
フィリピン第1の湖であるラグナ湖は、ミルクフィッシュの養殖が始まってから養殖経営者と零細漁民の対立や富栄養化の進行などの環境問題が発生した。このため、ラグナ湖開発局は養殖面積の制限など管理計画を樹立し、これらの問題の解決を目指している。
- 選考委員会における評価概要
ラグナ湖の栽培漁業は、同業者間の争いが起こり、また水環境も悪化してきたため、政府が規制計画を策定(1996年)し、実施しているのが紹介されており、開発途上国における政策形成に役立つレポートである。
No.3
- 受賞者(代表者):
エクトール・アマデオ・ラボリッタ Hector Amadeo LABOLLITA
- 国・地域名:
アルゼンチン
- 論文題名:
FACTORS CONTROLLING THE TROPHIC STATE OF RESERVOIRS AT THE BASINS OF LIMAY NEUQUEN AND NEGRO RIVERS(ARGENTINA)
- 分科会(分野):
第1 湖沼の栄養状態
- 研究人数:
2名
- 発表論文概要(要旨)
リオ・ネグロ川流域の貯水池には、光と栄養塩によりコントロールされているものと、栄養塩のみにコントロールされているものがある。栄養状態を決定するメカニズムについて示した。
- 選考委員会における評価概要
リマイ川、ネウケン川、ネグロ川流域の貯水池群について、栄養状態が(1)光と栄養塩、(2)栄養塩のみ、によって決まるという2種類があることを紹介しており、5湖沼の比較も大いに参考になるレポートである。
No.4
- 受賞者(代表者):
ベアトリス・モデヌッチ Dr.Beatriz E.. MODENUTTI
- 国・地域名:
アルゼンチン
- 論文題名:
STRUCTURE AND DYNAMICS OF FOOD WEBS IN ANDEAN LAKES
- 分科会(分野):
第1 アンデスの湖沼
- 研究人数:
6名
- 発表論文概要(要旨)
アルゼンチンのバリローチェ地方にある貧栄養のアンデアン湖について、上中層と底層に分けてそれぞれの食物連鎖の状況を記述している。
- 選考委員会における評価概要
アルゼンチンのバリローチェ地域の貧栄養湖の水質状況が紹介され、参考文献も多くあり、開催地の湖沼の状況がよく理解できるレポートである。
No.5
- 受賞者(代表者):
カシフ・シェイク Prof.Kashif SHEIKH
- 国・地域名:
パキスタン
- 論文題名:
Birdlife at Mangla Reservoir Pakistan:Concepts,Deterioration and Prospects
- 分科会(分野):
第3
漁業
- 研究人数:
5名
- 発表論文概要(要旨)
湿地には多様な生物がいることから、そのワイズ・ユース(保全と賢明な利用)を求めている。また、鳥類の多様性を保つことが重要であると考え、水鳥について調査し、ダムを管理するうえでの示唆を述べた。
- 選考委員会における評価概要
マングラ貯水池の鳥類について紹介されており、今後のワイズ・ユースのための提案として、大いに参考になるレポートである。
No.6
- 受賞者(代表者):
セルゲイ・セモフスキー Dr.Sergei V.SEMOVSKI
- 国・地域名:
ロシア
- 論文題名:
BIO-OPTICAL MODEL OF THE LAKE BAIKAL PHYTOPLANKTON ANNUAL VARIABILITY
- 分科会(分野):
第5 モデリング
- 研究人数:
2名
- 発表論文概要(要旨)
バイカル湖における冬季の氷の下の植物プランクトンの大量発生はよく知られているが、これについて数値モデル式を当てはめシミュレーションを行なった。その結果、透明な氷と雪に覆われた氷の違いによる季節変化が再現された。
- 選考委員会における評価概要
バイカル湖を対象とした生物光学エコダイナミックモデルの紹介であり、氷面下の水の華のシュミレーションが記述されており、参考になるレポートである。
No.7
- 受賞者(代表者):
ブレンダ・ムレンデマ Eng.Brenda C.MULENDEMA
- 国・地域名:
ザンビア
- 論文題名:
RECENT DEVELOPMENTS IN THE INTEGRATED MANAGEMENT OF WATER RESOURCES DEVELOPMENTS IN THE ZAMBEZI BASIN
- 分科会(分野):
第7 国際河川協力
- 研究人数:
1名
- 発表論文概要(要旨)
ザンビア川の国際河川としての総合管理をどのように進めたか。国際協力の方法とその困難性について記述している。
- 選考委員会における評価概要
最近のザンビア川流域水資源総合開発について、国際河川の協力の現状と課題について記述されており、現在の国際河川の量質両面にわたる課題解決に大いに参考になるレポートである。
No.8
- 受賞者(代表者):
ベスタ・スクロデニーテ Vesta SKRODENYTE
- 国・地域名:
リトアニア
- 論文題名:
AQUATIC BACTERIA AND ITS PROTEOLYTIC ACTIVITY IN AN ANTHROPOGENICALY POLLUTED ENVIROMENT
- 分科会(分野):
第1 バクテリア
- 研究人数:
1名
- 発表論文概要(要旨)
原子力発電所の冷却水用の湖の支流の水生バクテリアのタンパク質加水分解能(PA)を調査した結果、水生バクテリアのPAが環境汚染の水準に影響され、汚染の少ない支流のPAは高かったことを述べたものである。
- 選考委員会における評価概要
ドウルクシアイ湖の流入河川における汚濁状況とバクテリアによる自然浄化機能について的確に記述され、大いに参考になるレポートである。
No.9
- 受賞者(代表者):
ヘレン・ロバノワ Dr.Helen V.LOBANOVA
- 国・地域名:
ロシア
- 論文題名:
LOW FLOW REGULATION BY RESERVOIRS IN RUSSIA
- 分科会(分野):
第4 ダム湖 管理
- 研究人数:
1名
- 発表論文概要(要旨)
ロシアでの水力発電によるダム建設を平坦部の欧州地方と高原部のシベリア地方に分けてその方法と違いを記述している。
- 選考委員会における評価概要
水力発電用ダムの低水流量の管理について、ボルガ川、エニセイ川等のダムの事例を紹介し、ロシアのダム管理の実施とその成果について説明されており、参考になるレポートである。