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第13回世界湖沼会議(中国・武漢)への参加について
第13回世界湖沼会議が、中華人民共和国・武漢市において11月1日から5日までの日程で開催され、本県から環境対策課水環境室職員1名、霞ケ浦環境科学センター研究員1名、上海事務所職員2名及び県民から公募した研究発表者(県民発表者)6名の計10名が参加いたしました。
会議では第6回いばらき霞ヶ浦賞の授与式が行われ、優れた論文を発表した4組の研究者に対し、川又上海事務所長が賞状と賞金(25万円)を授与しました。
また、霞ケ浦環境科学センターの研究員と県民発表者が研究成果を発表し、世界各国の研究者等と活発な意見交換を行いました。
武漢国際会議展示センター
開催概要
- 開催地
中華人民共和国 湖北省 武漢市 武漢国際会議展示センター
- 開催期間
2009年11月1日(日)〜11月5日(木)
- テーマ
湖沼生態系の保全:世界の挑戦と中国の取組
- 主催者
中国環境科学学会(CSES)、中国環境科学院(CRAES)、武漢市、(財)国際湖沼環境委員会(ILEC)
- 参加国
45カ国(参加者数 約1,500名
開会式
いばらき霞ヶ浦賞受賞者
第6回 いばらき霞ヶ浦賞
- 賞の目的
開発途上国の研究者等の湖沼環境保全に関する優れた論文を顕彰することにより、国際的な湖沼環境保全に関する研究や技術開発の進展及び情報の交換等に寄与し、併せて本県の開発途上国に対する国際貢献に資する。
- 応募状況
応募総数102編(中国65編、その他37編)
- 受賞者
4組12名(4ヶ国)第6回いばらき霞ヶ浦賞授賞者リスト
Pandey氏(インド)の発表
Okello氏(ウガンダ)の発表
本県関係者の研究発表
No.1
- 発表者:
北村立実
(霞ケ浦環境科学センター)
- 題名:
灌漑期における霞ヶ浦湖岸水田地帯の負荷特性
- 論文要旨:
灌漑期の霞ヶ浦湖岸の水田地帯において、霞ヶ浦への排出水の負荷量調査を実施し、湖岸水田地帯の水収支と負荷の特徴を検討した。
その結果、灌漑期を平均すると霞ヶ浦に排水される負荷量は、T-Nが1haあたり−4.4kg、T-Pが1haあたり−0.28kgとなり、水田によって負荷が吸収されている結果となったが、これは灌漑時に使われる用水のうち57%が水田からの排水を再利用していることによると推察される。
[発表論文(英文)はこちら]
No.2
- 発表者:
清水和哉
内海真生
(筑波大学大学院)
- 題名:
ミクロキスティンを分解する微生物の発見とそのメカニズム
- 論文要旨:
毒性のあるアオコが発生した湖沼において、アオコが崩壊する時にアオコ毒素も分解されるメカニズムの解明を行ってきた。
その結果、これまで報告されていないアオコ毒素を分解する菌を確認することができ、その分解菌によるアオコ毒素の分解メカニズムの解明を行った。
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No.3
- 発表者:
大慶一路
張 振亜
(筑波大学大学院)
- 題名:
様々な物質を活用した生物濾過によるジオスミンの除去特性
- 論文要旨:
ダム湖や湖沼等の水源地で発生するジオスミンは、水道水の異臭味の主要因となっている。ジオスミンの効率的な生物除去方法を開発するため、産業廃材のガラスや土を再利用して作成したセラミックスを用いて、カビ臭を除去する効果について検証を行った。
[発表論文(英文)はこちら]
No.4
- 発表者:
沼澤 篤
滝下利男
(社団法人霞ヶ浦市民協会)
- 題名:
地球温暖化が、淡水化され高度に開発された海跡湖である霞ヶ浦に与える影響予測
- 論文要旨:
地球温暖化によって今後100年間に予測される海水面の上昇は、霞ヶ浦に大きな影響を与えることになる。海水の遡上を防ぐため水門を閉める時間が長期化し湖水の滞留時間が長くなることから水質に悪化が進むとともに、湖水の水位を約50cm上げざるを得ないため、堤防内の植生帯が破壊されることになるだろう。
[発表論文(英文)はこちら]
本県関係者の発表
閉会式
武漢宣言
今回の世界湖沼会議(閉会式)において、武漢宣言が発表されました。
武漢宣言(英文)はこちら