令和2年(不)第1号事件
1当事者
2事件の概要
本件は、被申立人の次の行為が、労働組合法第7条第1号の不利益取扱い及び同条第4号の報復的不利益取扱いの不当労働行為であるとして、救済が申し立てられた事件である。
- 会議でX2の発言を制止したこと
- X2の申し入れた面談に応じなかったとともに、X2に対し文書以外での対応をしない旨のメールを送信したこと
- X2担当の授業科目に関し、受講学生に対し履修取消しが望ましいなどのメールを送信したこと
3請求する救済の内容(要旨)
- 会議での発言制止等の中止及び発言機会の確保
- 面談拒否及び文書以外で対応しない旨のメール通告等の撤回並びに文書以外の相談応諾
- X2担当の授業科目受講学生への履修放棄指示及び業務妨害に対する謝罪及び撤回
- 不当労働行為を繰り返さない旨を記載した文書の被申立人本部正面玄関への掲示
4命令の主文
本件申立てをいずれも棄却する。
5当委員会の判断(要旨)
- X2からの発言申出に対しその内容を確認するなどの対応も十分可能であったと考えられることから、X2に対する発言制止行為は不利益取扱いと言えるものの、申立人らは、被申立人がX2に嫌悪意思を有していたことについて、具体的かつ十分な疎明を行わないことから、不当労働行為に当たるとは認められない。
- X2からの面談申入れに応じなかったことは、面談を申し入れられた者の家族への対応を理由とするものであり、不利益取扱いに当たるとまでは評価できず、また、不当労働行為意思に基づきなされたものとまでは認められない。また、X2に対し文書以外での対応をしない旨のメールを送信したことは、X2からの相談内容を確認した上でX2に連絡するというものであり、不合理な対応とは言えない。よって、これらの行為は、不当労働行為に当たるとは認められない。
- X2担当の授業科目に関し、受講学生に対し履修取消しが望ましいなどのメールを送信したことは、当該科目内容から卒業要件を満たす科目として認めないと判断したためなされたものであり、その判断手続が相当性を欠くとは認められず、不当労働行為に当たるとは認められない。