ここから本文です。

更新日:2024年10月24日

果樹>ナシ

研究成果

このコーナーでは、園芸研究所で公表した主要な研究成果をPDF形式で掲載しています。

生産現場に普及できる技術から研究段階の成果などを部門別に掲載しています。

なお、研究成果中の農薬については、最新の農薬登録情報を十分に考慮したうえでご活用ください。

ナシ(果樹)

ここでは、果樹部門・ナシの研究成果を紹介しています。

ナシ「幸水」1本主枝列植樹形による早期成園化(PDF:368KB)(令和6年5月7日)

ニホンナシ「幸水」は、1年生苗を1本主枝仕立てで株間1.0m間隔に列植すると、2年生苗を栽植する慣行のジョイント栽培と同等の収量が確保できる。1果重はジョイント区に劣るが樹齢に応じて改善する。【令和5年度・果樹研】

白紋羽病発病跡地におけるナシの根域管理技術の効果(PDF:409KB)(令和6年5月7日)

白紋羽病発病跡地において、根域制限と客土処理を組み合わせることで、白紋羽病菌の検出を2年間抑止でき、枯死する樹が少なくなり、収量を得ることができる。【令和5年度・果樹研】

糖資材を用いた還元型太陽熱土壌消毒によるナシ白紋羽病の防除効果(PDF:566KB)(令和6年5月7日)

糖蜜吸着資材及び上白糖を用いた還元型太陽熱土壌消毒は、夏期の処理で白紋羽病菌の死滅に必要な地温・持続期間に達し、慣行の高温水点滴処理と同等に同菌の感染を抑止できる。【令和5年度・土助肥料研】

食味良好な極早生の青ナシ新品種「蒼月(そうげつ)」(PDF:190KB)(令和5年5月29日)

「蒼月」は露地栽培「幸水」よりも14日程度早く収穫できる青ナシの極早生品種で、「幸水」よりも果肉が軟らかく、糖度は「幸水」と同程度で良食味である。【令和4年度・果樹研】

マイコンモジュールを利用した樹上ナシ果実径の測定・記録法(PDF:264KB)(令和5年5月29日)

ナシの樹上における果実肥大調査において、マイコンモジュールで作成したデータロガーを利用することで、効率的に測定・記録を行うことができる。【令和4年度・果樹研】

ナシ圃場から採取したクワコナカイガラムシに対する有効薬剤(PDF:153KB)(令和5年5月29日)

県内ナシ産地から採取したクワコナカイガラムシについて、室内試験で多くの薬剤は1齢及び2齢幼虫に対して高い殺虫効果を示す。特にアラニカルブ水和剤とスルホキサフロル水和剤は処理7日後の残効も優れ、圃場試験でも少なくとも7日間は高い効果を示す。【令和4年度・病虫研】

ナシ「恵水」カット果実の果肉褐変抑制方法(PDF:125KB)(令和5年5月29日)

ナシ「恵水」について、切断果実のL-アスコルビン酸ナトリウム0.1%溶液または食塩0.2~0.25%溶液への浸漬は、切片の果肉褐変を抑制でき、食味への影響も少ない。また、カラーチャート値3より2.5の果実の方が褐変は生じにくい。【令和4年度・流通加工研】

ナシ「恵水」の高品質果実の収穫条件及び適期収穫方法(PDF:176KB)(令和4年5月9日)

ナシ「恵水」は果実重400g以上、赤道部の地色2以上で糖度が安定して高く、硬度やデンプン反応は地色3.5以上でばらつきが少ない。地色3.5以上を基準とすると、収穫の目安となる恵水用カラーチャート値は収穫始期3、収穫盛期以降2.5である。【令和3年度・果樹研】

ナシ「甘太」の収穫始期予測及び適期収穫方法(PDF:179KB)(令和4年5月9日)

ナシ「甘太」の収穫始期は満開後1~34日間の平均気温から収穫始期を予測できる。また、糖度は果実重400g以上、赤道部の地色カラーチャート値が2以上で安定して高い。収穫時はていあ部地色2~2.5を目安とすることで適期収穫できる。【令和3年度・果樹研】

ナシ「幸水」の早期収量確保を可能とする列植技術(PDF:243KB)(令和4年5月9日)

ナシ1本主枝列植樹形は、定植3年目において「株間1.0m×畝間3.6m」の条件下でジョイント樹形と同等以上の収量を得られる。【令和3年度・果樹研】

テープナーによるナシせん定時間の削減効果(PDF:169KB)(令和4年5月9日)

ナシせん定用のテープナーを用いて側枝の結束を行うことにより、せん定における誘引の作業時間が慣行の紙ひもに比べ50%以下に削減できる。また、せん定全体の作業時間は慣行の2月3日程度となる。【令和3年度・果樹研】

ナシ樹跡地への高温水点滴処理は土壌のいや地リスクを低減する(PDF:255KB)(令和4年5月9日)

ナシ樹跡地への高温水点滴処理によって、土壌中の前作ナシ樹由来のいや地リスクが低減される。【令和3年度・果樹研、土肥研】

茨城県内のナシ炭疽病菌の種構成及びQoI剤に対する薬剤感受性(PDF:143KB)(令和4年5月9日)

県内から採集したナシ炭疽病菌の優占種はColletotrichum fructicolaである。本種を中心に、QoI剤であるクレソキシムメチルに対する耐性菌の発生が認められる。【令和3年度・病虫研】

ナシ「恵水」及び「豊水」の収穫始期予測(PDF:146KB)

ナシ「恵水」の収穫始期は満開後1~37日間の平均気温から収穫始期を予測できる。また、「豊水」は満開後1~32日間及び満開後89~98日間の平均気温を用いて収穫始期を予測できる。【令和2年度・果樹研】

ナシ「豊水」のみつ症重症果発生率予測(PDF:230KB)

ナシ「豊水」のみつ症重症果は満開後84~93日の平均気温が低く満開後125~134日の平均気温が高いと発生率が高まる。この2期間の平均気温を用いた重回帰式により、発生率を予測することが可能である。【令和2年度・果樹研】

ナシのジョイント仕立て等の列状密植時における定植1年目の生育促進技術(PDF:767KB)

ナシの改植において列状で密植する際、植え穴として幅50センチメートル・深さ30~50センチメートルでトレンチャーで溝を掘り、客土または定植前に高温水処理を行うことにより、定植後1年目の若木の生育が促進される。【令和2年度・果樹研,土肥研】

携帯型分光計を用いたナシ「恵水」の果皮クロロフィル含量推定(PDF:308KB)

ナシ「恵水」専用の検量線を実装した携帯型分光計を用いることにより、「恵水」の果皮クロロフィル含量を非破壊で精度高く推定し、地色カラーチャート換算値を得ることができる。【令和2年度・果樹研】

ナシ「恵水」の収穫期間中の成熟特性と夏季高温時における収穫方法(PDF:249KB)

ナシ「恵水」の収穫期間後半の果実は、収穫期間前半に比べ表面色に対して地色が進行し、地色が青めであっても糖度は高い。果肉先熟が予想される場合には、収穫期間後半は「恵水」用表面色カラーチャート値2~2.5程度での収穫が可能である。【令和2年度・果樹研】

県内ナシ難改植ほ場における若木の枯死・生育不良は白紋羽病が主原因である(PDF:134KB)

県内産地のナシ難改植ほ場において、改植後の若木株元土壌のいや地リスクは生育不良樹と健全樹の間に差はない。一方、難改植ほ場における生育不良の改植苗の約6割で白紋羽病が発生し、枯死樹では感染率がより高く、本病が枯死・生育不良の主原因である。【令和2年度・土肥研,果樹研】

ナシ黒星病に対する各種薬剤の防除効果(PDF:129KB)

ナシ黒星病の発生がやや進展した状況において、マンデストロビン水和剤、インピルフルキサム水和剤は本病に対して特に高い効果を示す。また、ピリベンカルブ水和剤とジフェノコナゾール水和剤については希釈倍数間での効果の差異が顕著になる。【令和2年度・病虫研】

ナシ「恵水」の樹体ジョイント仕立てによる早期多収(PDF:158KB)

ナシの樹体ジョイント仕立ては「恵水」に適応性が高く、早期多収に有効な技術である。ジョイント実施後3年目に収量約6t/10aを得られ、その後も安定して多収が期待できる。【令和元年度・果樹研、流通加工研】

ナシ「恵水」における小玉果発生低減のための摘果基準を用いた修正摘果(PDF:152KB)

「恵水」は満開後100日頃から果実横径と収穫時の果実横径との相関が高まる。回帰式に基づく摘果基準を用いて修正摘果を行うことで、小玉果発生が低減され果実品質が高まる。【令和元年度・果樹研、流通加工研】

ナシ「恵水」成木における高品質多収のためのせん定時の側枝配置(PDF:159KB)

「恵水」成木において、高品質多収の目安となる側枝密度は350センチメートル/平方メートル以上である。せん定時の側枝間隔は約40センチメートルで、そのうち50~80%程度を短果枝で配置する。【令和元年度・果樹研、流通加工研】

収穫後のナシ「恵水」果実に対する1-MCP処理の品質保持効果(PDF:176KB)

収穫1日後の常温環境下での1-MCP処理は、表面色カラーチャート値3で収穫したナシ「恵水」果実のその後の品質低下を抑制できる。【令和元年度・流通加工研、果樹研】

12月まで冷蔵したナシ「恵水」果実に対する1-MCP処理の品質保持効果(PDF:178KB)

収穫2日後の低温環境下での1-MCP処理は、表面色カラーチャート値(以下、CC)3および2.5で収穫したナシ「恵水」果実の2.5ヶ月冷蔵出庫後の品質低下を抑制できる。また、やや青め(CC2.5)で収穫することにより、品質低下をより抑制できる。【令和元年度・流通加工研、果樹研】

船便輸出後の長期冷蔵を想定したナシ「幸水」に対する1-MCP処理の品質保持効果(PDF:237KB)

収穫1日後の常温環境下での1-MCP処理は、船便輸出後の長期冷蔵を想定したナシ「幸水」果実の品質低下を抑制できる。【令和元年度・流通加工研】

ナシの補植における土壌高温水処理は初期収量を増大させる(PDF:227KB)

ナシ樹の改植(補植)時において、温水処理機を活用した土壌高温水処理は、定植後の初期生育を促進し、無処理区と比較して初結実から3年間の累積収量が大きい。【平成30年度・土肥研、果樹研】

ナシの補植における1株3樹植え1本主枝仕立てによる早期多収(PDF:1,110KB)

ナシ樹の改植(補植)において、1株3樹植え1本主枝仕立ては慣行の3本主枝仕立てに比べ幼木の樹体生育が良好であり、定植5年目に成園並みの収量が確保できる。【平成30年度・果樹研、土肥研】

ナシ「恵水」若木時における側枝候補確保のための新梢誘引方法(PDF:198KB)

ナシ「恵水」若木期において、新梢停止期である6月下旬~7月上旬に新梢を棚面に対して0~30度に誘引すると、えき花芽の着生が多くなる。また、誘引により新梢基部の肥大が抑えられ、側枝候補枝が確保できる。【平成30年度・果樹研、土肥研】

ナシ「あきづき」のエテホン液剤散布による熟期促進と果肉障害低減(PDF:223KB)

ナシ「あきづき」は満開後100日頃にエテホン液剤2,000倍液を散布することで熟期が前進し、収穫盛期は無処理よりも11~17日早い。また、果肉障害の発生は少ない。【平成30年度・果樹研】

1キロメートルメッシュ農業気象データによるナシ「幸水」の生育予測(PDF:369KB)

農研機構が提供している1キロメートルメッシュ農業気象データを利用することにより、県下全域のナシ「幸水」の満開日および収穫始期を1キロメートルメッシュごとに予測できる。【平成29年度・果樹研】

ナシ「幸水」の船便輸出後の品質安定化に向けた1-メチルシクロプロペン(1-MCP)処理による品質保持効果(PDF:1,090KB)

ナシ「幸水」を収穫1日後に低温環境下で1-MCP処理することで、東南アジアへの船便輸送期間である3週間冷蔵後に出庫した果実の品質低下を抑制できる。【平成29年度・流通加工研】

早期に収量が確保できるナシ補植技術~1株3樹植え1本主枝仕立ての効果~(PDF:1,322KB)

ナシ樹の改植(補植)時における1株3樹植え1本主枝仕立ては、慣行の3本主枝仕立てに比べナシ幼木の樹体生育が良好であり、初期収量の増大が図れる。【平成28年度・果樹研、土壌肥料研】

早期に収量を確保できるナシ補植技術~定植前土壌への熱水点滴処理・根底制限栽培の効果~(PDF:4,789KB)

ナシ樹の改植(補植)時における定植前土壌への熱水点滴処理・根底制限栽培は、ナシ幼木の樹体生育が良好で、初期収量の増大が図れる。【平成28年度・果樹研、土壌肥料研】

ナシ「恵水」の樹体ジョイント仕立ては早期成園化に有効である(PDF:213KB)

ナシ「恵水」の樹体ジョイント仕立ては、早期成園化に有効である。定植4年目における樹冠占有面積率、側枝数は慣行仕立て(3~4本主枝)よりも多く確保され、早期多収である。【平成28年度・果樹研】

ナシ「恵水」の適正着果量は樹冠占有面積1平方メートル当たり10果(PDF:289KB)

「恵水」の成木で高品質かつ多収生産のための適正な着果量の目安は、樹冠占有面積1平方メートル当たり10果である。若木時の着果は、側枝(短果枝)1m当たり6果程度とし、3果そう当たり1果を目安に着果させる。【平成27年度・果樹研】

ナシ「恵水」は短果枝(2~3年枝)主体の側枝配置で着果量が安定確保できる(PDF:381KB)

「恵水」は短果枝の着生が良好で、維持も容易であるため、側枝配置は短果枝(2~3年枝)を中心とする。側枝全体の50~70%程度を短果枝で配置することで、えき花芽着生の多少に影響されずに安定して着果量が確保できる。【平成27年度・果樹研】

ナシ「恵水」の低温貯蔵における品質保持期間(PDF:155KB)

ナシ「恵水」は、湿度90%RH以上の環境下において、5℃では2ヶ月程度、2℃では4ヶ月程度、0℃では8ヶ月程度の貯蔵が可能である。貯蔵する際には、「恵水」用表面色カラーチャート値3を目安に、収穫始期~盛期にかけて収穫する。【平成27年度・流通加工研】

食味良好な晩生ナシ新品種「甘太(かんた)」(PDF:143KB)

「甘太」は、「新高」と同時期(10月上~中旬)に収穫できる晩生品種で、「新高」よりも果肉が軟らかく高糖度で良食味である。樹勢が強くて樹冠拡大が容易であり、短果枝の着生は多い。【平成26年度・果樹研】

黒ボク土ナシ園における基肥の堆肥代替施用技術は環境負荷低減に有効である(PDF:176KB)

黒ボク土ナシ園において、慣行施肥と同等の収量を得ることができる技術である基肥窒素の堆肥代替施肥は、温室効果ガス排出量及び硝酸態窒素溶脱量の削減が可能である。【平成26年度・土壌肥料研】

ナシ新品種「早水」、「恵水」における糖組成の特徴(要約のみ掲載)

ナシ「早水」と「恵水」はどちらも糖度(Brix%)は13パーセント程度と高いが、糖組成が異なり、「早水」はフルクトースが多く、「恵水」ではスクロースが多い。「早水」は「恵水」と比べ、同程度の糖度における甘味(甘味度)が低い傾向にある。【平成25年度・果樹研、流通加工研】

ナシ黒星病菌子のう胞子の飛散推移と重要防除時期(PDF:261KB)

ナシ黒星病菌の子のう胞子の飛散が増加するのは4月上旬頃からで、飛散最盛期は4月下旬であり、5月中旬以降飛散が終息する。このことから、子のう胞子飛散に基づく本病の重要防除時期は開花期前後である4月上旬~下旬である。【平成25年度・病虫研】

ナシ栽培におけるチャノキイロアザミウマの防除法(PDF:371KB)

ナシ園におけるチャノキイロアザミウマ各世代の発生ピーク日は、有効積算気温により予測可能である。有効薬剤が生息部位である新梢先端に付着するように散布することにより、寄生個体数を軽減できる。【平成25年度・病虫研】

ナシ白紋羽病発病跡地における根域制限処理と熱水処理を組み合わせた改植技術(PDF:262KB)

ナシ白紋羽病跡地の改植において、根域制限処理と熱水処理(地温を45℃以上で130分以上保持)を組み合わせた改植技術は、白紋羽病に対する防除効果が高く、隣接樹が罹病していても再汚染しない。【平成25年度・土肥研】

ナシ「早水」の早期摘果による肥大促進と捻軸処理による軸折れ防止技術(PDF:260KB)

「早水」は満開14日後に3果そう当たり1果に早期摘果すると平均果重が500g以上となり肥大が優れる。早期摘果をすると軸折れによる落果がやや増加するが、上向き果を残す場合は満開後60日頃に果軸の捻軸処理をすると軸折れ落果を防止できる。【平成25年度・果樹研】

ナシ「幸水」の早期多収には栽植密度115本/10アールで2本主枝整枝が有効(PDF形式約0.2MB)(PDF:220KB)

「幸水」の密植栽培115本/10アール植え(樹間2.4m×列間3.6m)は早期多収であり、間伐が必要ない。この栽植で2本主枝整枝は樹冠拡大が早く、1本主枝および2本主枝整枝ともに栽植6年目(樹齢7年生)でほぼ成園並収量(3トン/10アール)となり、以後安定して高収量を確保できる。【平成25年度・果樹研】

ナシ新品種「恵水」の安定生産のための側枝育成方法(PDF:287KB)

「恵水」の若木期においては、骨格枝上の短果枝へジベレリンペースト剤を処理することにより新梢伸長が促進され、側枝候補枝を確保できる。ジベレリンペースト剤は、側枝を確保したい位置の短果枝へ処理し、発生した新梢を利用して側枝の育成を図る。【平成25年度・果樹研】

ナシ栽培におけるせん孔性害虫ヒメボクトウの防除法(PDF:454KB)

樹幹に食入したヒメボクトウ幼虫に対して天敵線虫殺虫剤を6月上旬と9月中旬に樹幹注入し、フルベンジアミド水和剤を7月中旬から8月上旬に樹幹に散布することにより、ヒメボクトウの被害を軽減することができる。【平成25年度・病虫研】

ナシ新品種「恵水」の果色カラーチャートによる収穫適期判定(PDF:293KB)

「恵水」の収穫適期判定のための「恵水」用カラーチャートを開発した。収穫適期は果色の変化で判断でき、「恵水」用カラーチャート値で3~4である。特に収穫初期は赤め(「恵水」用カラーチャート値3以上)での収穫とする。【平成25年度・果樹研】

良食味かつ大果で豊産性の赤ナシ新品種「恵水」の育成とその栽培管理方法(PDF:220KB)

「恵水」は収穫期が9月上~下旬で、食味がよく(糖度13パーセント前後)、果重は600グラム前後と大果で短果枝の着生が良好な豊産性の品種である。収穫時期は果色の変化(果面全体の緑色が退色し果面の70パーセント以上が黄赤褐色)で判断する。着果量の目安は2~3果そうに1果とする。【平成24年度・果樹研】

ナシ「早水」の高品質安定生産のための着果管理方法(PDF:164KB)

ナシ「早水」は3番果以上に着果させると果形が良く、食味が優れる。また、中番果(3~5番果)では310グラム以上の果実において糖度が高く食味が優れる。軸折れによる落果を軽減するためには、短果枝の上向き果や低番果(1、2番果)の着果を避ける。【平成24年度・果樹研】

ナシ枝を利用した白紋羽病罹病樹の簡易診断法(PDF:286KB)

枝挿入法は白紋羽病の早期診断や温水・薬剤処理の効果を確認する簡易で有効な方法である。ナシ剪定枝を株元に挿入し、約3週間後に抜き取って枝上の菌糸付着を確認する枝挿入法は、根を掘り上げて確認する目視法と同等の検出感度である。【平成24年度・病虫研】

定植前に熱水処理をした土壌でナシ苗木を育成すると細根量が多くなる(要約のみ掲載)

80℃の熱水を潅水処理した土壌を用いてナシ苗木を育成すると、細根量(直径1ミリメートル以下の太さ)が多くなる。この定植前土壌への熱水処理は、幹の成長、発生新梢数や新梢伸長など地上部の生育には影響を与えない。【平成24年度・果樹研】

黒ボク土ナシ園における豚ぷん堆肥の施用が一酸化二窒素排出に及ぼす影響(要約のみ掲載)

豚ぷん堆肥を施用した黒ボク土ナシ園における一酸化二窒素の排出量は、施用窒素量が多いほど増加する。また、施用1年目に比較し連用8~9年目の方が多くなるが、この年数の範囲では、同量の窒素を化学肥料で施用した場合に比較し少ない。【平成24年度・土肥研】

ナシのチャノキイロアザミウマに対する有効薬剤(要約のみ掲載)

ナシのチャノキイロアザミウマ雌成虫に対し、既登録を含む7薬剤の殺虫効果が高い。チャノキイロアザミウマは、合成ピレスロイド系剤に対して抵抗性を発達させている可能性がある。【平成24年度・病虫研】

ナシのヒメボクトウ幼虫に対する有効薬剤(要約のみ掲載)

ヒメボクトウ若齢幼虫に対し、DMTP水和剤およびクロラントラニリプロール水和剤は高い殺虫効果がある。【平成24年度・病虫研】

ナシ栽培では基肥の豚ぷん堆肥代替により肥料コストと窒素溶脱を低減できる(PDF:181KB)

黒ボク土のナシ栽培において、基肥窒素を豚ぷん堆肥で代替する施肥法は、収量を慣行施肥法(県基準の窒素施肥量に加えて堆肥を2トン/10アール施用)と同等に維持でき、肥料コストを大幅に低減できる。また、慣行施肥法と比較して、地下水への窒素溶脱を低減できる。【平成23年度・土肥研】

ナシ「幸水」を115本/10アールで栽植すると7年目に収量3トン/10アール以上を確保できる(PDF:136KB)

ナシ「幸水」の2年生苗木を栽植密度115本/10アール(2.4メートル×3.6メートル)で栽植すると、栽植後7年目(樹齢8年生)で3トン/10アール以上の収量を確保できる。果重は375グラム、糖度11.7パーセントと果実品質も良好である。【平成23年度・果樹研】

ナシ園における農薬のドリフトを低減したスピードスプレーヤ(PDF:244KB)

ナシ栽培において、棚面に平行に近づけて散布できる昇降式のノズルを装備したスピードスプレーヤは、エンジン回転数・送風量を落としても薬剤の均一散布が可能であり、病害虫の防除効果を落とすことなく、ドリフトを低減することができる。【平成23年度・病虫研】

ナシ園における指標生物を用いた生物多様性の評価手法(要約のみ掲載)

ナシ園において、ゴミムシ類と寄生蜂類は、環境保全に配慮した管理を行う圃場に多く存在する。これらを指標生物として調査することにより、ナシ園における生物多様性の維持状態を評価することができる。【平成23年度・病虫研】

ナシ「幸水」の側枝基部の環状はく皮処理による新梢発生促進(PDF:194KB)

ニホンナシ「幸水」の側枝基部に4月上旬頃に環状はく皮処理を行うことで、側枝候補枝(予備枝)となる新梢を効率良く発生させることができる。また、環状はく皮処理は果実品質へ影響しない。【平成22年度・果樹研】

エチレン作用抑制剤(1-MCP)はナシの日持ち性を向上させる(PDF:161KB)

エチレン作用抑制剤(1-MCP)は、密封条件下において500~1000ppbの処理濃度で12~24時間暴露処理することにより、ナシ「幸水」及び「豊水」の収穫果実の日持ち性を向上させることができる。【平成22年度・果樹研】

ナシ「恵水」(仮称)は「筑水」用カラーチャート値5~6で適期収穫できる(要約のみ掲載)

ナシ「恵水」の収穫の目安は、「筑水」用カラーチャート値の5~6で、果実全体の緑色が退色し、果面の70パーセント以上が黄赤褐色になる状態から果面全体が黄赤褐色になる状態である。満開後135日、地色4、澱粉反応1.5を収穫の目安とする。【平成22年度・果樹研】

ナシ「ひたち1号」の新梢誘引による花芽着生促進(PDF:139KB)

ナシ「ひたち1号」は、6月下旬から7月上旬に新梢誘引を行うとえき花芽着生が促進される。予備枝から発生する新梢の誘引は、無処理より2~3倍程度の花芽数が確保でき、不定芽由来の新梢では2~4倍程度の花芽数が確保できる。【平成21年度・果樹研】

冷蔵による長期貯蔵が可能なナシ「ひたち2号」(PDF:166KB)

ナシ「ひたち2号」は冷蔵による長期貯蔵が可能であり、収穫用コンテナに詰めた状態で設定温度2℃、設定湿度90パーセントの冷蔵庫に保存すると、収穫後120日程度まで収穫直後と同等な良食味の果実品質を維持できる。【平成21年度・果樹研】

ナシ「あきづき」の果肉障害発生と収穫時期および表面色との関係(PDF:168KB)

ナシ「あきづき」の果肉障害の発生は、収穫時期が遅いほど障害果率が高くなり、同一の収穫日での果肉障害の発生は、表面色が進んでいる果実ほど重症果の発生割合が高くなる傾向である。【平成21年度・果樹研】

黒ボク土ナシ園で、基準施肥+豚ふん堆肥施用を続けると窒素溶脱量は増加する(PDF:166KB)

黒ボク土充填のナシ栽培ライシメーター(深さ2m)において、基準窒素施肥(20キログラムN/10アール/年)に豚ふん堆肥施用(30キログラムN/10アール/年)の施肥管理を継続すると、4年目から硝酸態窒素の溶脱量が顕著に増加し6年目には年間13.3キログラム/10アールが溶脱する。【平成21年度・土肥研】

ナシ黒星病に対する秋季防除の有効性(PDF:116KB)

ナシ黒星病に対して、10~11月にキャプタン・有機銅水和剤を2、3回散布する秋季防除を行うことで、翌年の果そう基部病斑の発生を抑制することができる。【平成21年度・病虫研】

ナシ黒星病に対する予防剤及びDMI剤の防除効果(PDF:121KB)

ナシ黒星病に対する予防剤(19薬剤)の防除効果を比較すると、ベノミル水和剤以外の薬剤は実用面で十分効果が期待できる。また、DMI剤は、ヘキサコナゾール水和剤、ジフェノコナゾール水和剤及びフェンブコナゾール水和剤の防除効果が高い。【平成21年度・病虫研】

黒ボク土ナシ園における窒素減肥を目的とした籾殻豚ぷん堆肥施用法(PDF:168KB)

基肥を籾殻豚ぷん堆肥で代替した施肥法は、窒素施肥量を5割削減でき、基準施肥および農家慣行の施肥法と比較して生育・収量・果実品質は同等に維持できる。【平成20年度・ナシグループ】

ナシ「幸水」の大苗育成時の仕立て方法と土量(PDF:153KB)

大苗育成2年目にポットを斜めに設置して先端新梢を真上に伸ばす斜立植え直伸栽培は、樹冠拡大に有効である。土量が90Lで長方形に根域を制限した大苗は、30Lの円形ポットを利用した大苗よりも移植後の生育が優れ、移植後3年目までの累積収量が多い【平成20年度・ナシグループ】

ナシ1本主枝整枝では1.8メートル×3.6メートル植えが早期多収に有効である(PDF:131KB)

ナシ「幸水」の1年生苗を利用した1本主枝整枝による密植栽培では、栽植距離1.8メートル×3.6メートルの10アール当たり154本植えが、定植後4年目の5年生樹までの収量が多く、早期多収に有効である。【平成20年度・ナシグループ】

温水点滴処理によるナシ白紋羽病の防除(PDF:172KB)

ナシ白紋羽病の防除対策として、50℃の温水を地表面から点滴処理する方法は、ナシ白紋羽病菌に対して防除効果が期待できる。【平成20年度・ナシグループ】

ナシの根域容量を小さくすると果実の糖度および硬度は高くなり生育は抑制される(PDF:125KB)

ナシ「幸水」において、根域容量を小さくすることは、果実糖度を高くする効果がある。また、根域を制限することにより果実硬度は高くなり、樹体の生育は抑制される。【平成20年度・ナシグループ】

ナシ「あきづき」の果色カラーチャートを利用した収穫適期判定法(PDF:176KB)

ナシ「あきづき」用カラーチャートを作成し、3番を収穫適期とする。ナシ「あきづき」の収穫適期は、果実が全体的に赤褐色になり、ていあ部に青色部分が一部残った状態である。【平成18年度・ナシグループ】

ナシ「あきづき」は、早期に予備摘果すると軸折れする果実が多くなる(PDF:143KB)

満開後20~40日の範囲では、予備摘果時期が早いほど果実肥大は良好であるが、軸折れして落果する果実が多くなる。軸折れは、10日間の横径増加量が最大となる満開後100~110日(8月上旬頃)が最も多い。【平成18年度・ナシグループ】

ナシ高畝マルチ栽培による底部根域制限は果実糖度が向上し収穫期が前進する(PDF:166KB)

高畝(高さ50センチメートル、幅120センチメートル)で養液土耕管理したナシ「幸水」のマルチ栽培において、畝底部に防根透水シートを設置し根域を制限することで、一果重は低下する傾向があるが、果実糖度は高まり収穫期は前進する。【平成18年度・ナシグループ】

ナシ栽培におけるスピード・スプレーヤ使用時の農薬飛散低減法(PDF:151KB)

ナシ病害虫防除にスピード・スプレーヤ(S・S)を使用して農薬散布を実施する場合、「S・Sの送風量の半減」、「ネットの展張」、「ドリフト低減ノズルの装着」を行うことにより、農薬の飛散を低減することが可能である。【平成18年度・病虫研】

黒ボク土におけるナシ新品種「あきづき」の着果管理法(PDF:144KB)

ナシ新品種「あきづき」は、摘果時に果そう葉のある果実を優先して残し、1平方メートル当たりの着果数を9~10果とする。平均果重450~500グラム、収量4.0キログラム/平方メートル以上、糖度12パーセント程度を着果管理の目安とする。【平成17年度・ナシグループ】

ナシ高畝マルチ栽培における底部根域制限が果実糖度及び収穫期に及ぼす効果(PDF:165KB)

高畝(高さ50センチメートル、幅120センチメートル)で養液土耕管理したナシ「幸水」のマルチ栽培において、畝底部に防根透水シートを設置し根域を制限することで、一果重は低下するが、果実糖度は高まり、収穫期は前進化する。また、畝内の細根量は増加し、根の分布は均一化する。【平成17年度・ナシグループ】

ナシ新品種「あきづき」の収穫適期判定法(PDF:157KB)

ナシ「あきづき」は、赤褐色に着色する赤ナシで、地色4.0、糖度12パーセント以上、澱粉反応2.0以下を目安に収穫する。満開後33日間の平均気温(x)と満開日から収穫始期までの日数(y)の間には、y=-6.35x+247.2の相関関係が認められ、収穫始期は満開後33日間の平均気温から予測できる。【平成16年度・ナシグループ】

ナシ新品種「あきづき」の花芽確保と側枝利用方法(PDF:161KB)

長さ150センチメートル程度の1年枝を切り返さずに冬季に30~45度に誘引して予備枝とする。生育期に先端部以外の新梢を随時摘心して発育枝数を減少させ、短果枝と先端新梢にえき花芽を着生させる。短果枝が10個以上着生した予備枝を側枝として利用し、花芽2~3芽に1果程度着果させる。【平成16年度・ナシグループ】

ナシ黒星病に対するフェンブコナゾール水和剤の有効性(PDF:152KB)

茨城県ナシ病害虫防除暦において、ナシ黒星病対象薬剤として採用されているDMI剤3剤と新規登録フェンブコナゾール水和剤の防除効果を比較した結果、フェンブコナゾール水和剤はイミベンコナゾール水和剤より防除効果が高く有効である。【平成16年度・ナシグループ】

非破壊品質評価計によるナシ「豊水」のみつ症の判別(PDF:379KB)

K社の非破壊品質評価計を使用してみつ指数(0~3)と非破壊計値(0~10)の関係を検討した結果、高い正の相関関係が認められ、みつ指数2~3のみつ症重症果を識別できる。【平成15年度・果樹研】

ナシ新品種「あきづき」の予備枝を利用した花芽確保(PDF:153KB)

花芽の着生が不良なナシ「あきづき」では、長さ150センチメートル程度の予備枝を利用して、先端新梢以外は摘芯して発育枝数を減少させ、短果枝と先端新梢にえき花芽を着生させる。【平成15年度・果樹研】

10月下旬~11月中旬に収穫されるナシ新品種「王秋」の特性(PDF:188KB)

ナシ「王秋」は、10月下旬~11月中旬に収穫される晩生種で、「新高」や「新雪」よりも果肉が軟らかくて糖度が高い。花芽の着生は良好で栽培しやすいが、収穫前に落果しやすいので必ず落果防止剤を散布する。【平成15年度・果樹研】

分施型の施肥法がナシ「幸水」成木の収量品質及び土壌溶液中窒素に及ぼす影響(PDF:153KB)

ナシ「幸水」成木において、窒素施肥量の3割(6キログラム/10アール)を果実肥大期に追肥する分施型の施肥法は、5月下旬から8月上旬の地下50センチメートル土壌溶液硝酸態窒素濃度を高く維持し、1果重が増加する。また、窒素施肥量は2割減肥した20キログラム/10アールで栽培が可能である。【平成15年度・土肥研】

黒ボク土におけるニホンナシ「幸水」の高収量確保に必要な側枝密度(PDF:154KB)

黒ボク土ではニホンナシ「幸水」の側枝密度を高めると収量および推定販売額は増加するが、せん定誘引に労力を要する。より少ない労力で3.5キログラム/平方メートルの高収量を確保する側枝密度は300センチメートル/平方メートル程度である。【平成14年度・果樹研】

ニホンナシ「幸水」の黒ボク土花芽着生不良園における予備枝の育成方法(PDF:197KB)

黒ボク土で花芽着生が不良なナシ「幸水」園では、2年育成した長さ1m程度の予備枝を利用することにより、短果枝の着生を促進して着果数の増加を図ることができる。【平成14年度・果樹研】

ナシ黒星病及び輪紋病防除の殺菌剤削減体系(PDF:218KB)

黒星病及び輪紋病の重要防除時期を中心とした殺菌剤の散布と耕種的防除法を組み合わせることで、殺菌剤散布回数を現在の茨城県ナシ病害虫防除暦より30%程度削減することが可能である。【平成14年度・病虫研】

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

このページに関するお問い合わせ

農林水産部農業総合センター園芸研究所 

〒319-0292 茨城県笠間市安居3165-1

電話番号:0299-45-8340

FAX番号:0299-48-2545

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

質問:このページは見つけやすかったですか?