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更新日:2024年11月8日
この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は、こちらから視聴いただくことができます。
(作成:報道・広聴課)
令和6年11月8日(金曜日)
10時45分~11時10分 会見室
知事:よろしくお願いします。
毎日(幹事社):よろしくお願いします。
幹事社の毎日新聞です。
今日、発表事項はないということですので、記者クラブから質問をさせていただきます。
冒頭、幹事社から、さきの衆院選について、2点、お伺いさせていただきます。
2009年の総選挙以来、15年ぶりに与党の自民党と公明党が議席を減らし、県内でも小選挙区のうち獲得は3議席にとどまりました。
先日、知事も、当選された陣営に祝辞を述べられたりとか、あと、知事も過去2回の知事選挙では自公の推薦を受けるなど、連携してきた背景などを踏まえまして、今回の衆院選に関する受け止めと、もし知事なりに分析されていることがあれば教えていただきたいというのが1点と、2点目は、首班指名はこれからとなりますので、石破政権が存続するかどうかというのが確定した状況ではないですけれども、自公が過半数割れして、政府与党は不安定で、言い方を変えれば緊張感のある国政になるのかなというふうに予想されますが、知事も石破首相就任時には地方創生に期待を示しておりましたが、これからの県政運営に関する懸念点だったりとか、国政に対して求めることがあれば教えてください。
知事:前回の衆議院選挙、おっしゃるとおり、自公政権が過半数を割ったという大きな変化をもたらす結果となりました。
私の立場で、これについてコメントする立場ではないのですが、国民の判断という視点から言うと、政治と金の問題、それから、様々な経済対策についての期待、そういうことが織り混ざったこういう結果なのかなというふうに受け止めております。
自公政権、これから首班指名を目指すということではありますが、一部の党との協力も得ながら、首班指名を勝ち取れるかどうかということも伺っておりますけれども、いずれにせよ、こういう自公安定多数ではない、逆に緊張感のある政策運営を求められる政権になったからこそ、国民の求める声に素早く対応しなければいけない、そういう状況になっているので、逆に、様々な改革、あるいは、様々な施策が進む面もあるのではないのかなというふうに期待しております。
これまで様々な理由で何となく見送られてきたものにも手をつけるという動きが出ているようにも、一部、お見受けいたしますので、そういうことが今の日本にはとても必要なことではあるというふうに考えておりますので、思い切った改革や経済政策、そのほか進められることは重要なのではないかなと期待をしております。
そこの中で、当然、地方創生ということも大きな柱になるべきだというふうに考えておりますので、その点については、今後、新たな政権側としっかりとコミュニケーションを取っていければというふうに考えております。
もう一つは。
毎日(幹事社):懸念点とか。知事がこれまで進めてきた県民所得の増加とか、今般、地方創生に対する政権が、与党が割れてしまったので、不安定な緊張感がある中で、懸念点とかがあればお伺いしたいのですけれども。
知事:今のところ、そんなに大きな懸念点は、私自身には見えていないです。
地方創生、それから、国民所得の向上ということは、恐らく、与野党ともに同じ考え方で、手法に違いはあるかもしれませんけれども、目指すところは同じなのかなということだとは思っていますが、そこはそんなに大きなぶれが今後出てくるのかどうかというのは、分からないのですけれども、そんなにはないのではないか。
ただ、減税の話が非常に大きくクローズアップされているようなので、それが地方の財政負担という形でしわ寄せされると、それでなくても地方自治体はぎりぎりで運営している部分が多いので、それは何らかの対策を講じながらやらないといけないのではないかなと当然考えていただいていると思っております。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
毎日(幹事社):国政については以上にしたいと思いますが、続いて、アメリカの大統領選挙についてお聞きをさせていただきます。
アメリカでは、トランプ氏が勝利を収めて、再び大統領に就任する見通しとなりました。アメリカ国内では、インフレ経済の抑制だとか、アメリカ第一主義を掲げて支持を集めてきたと思います。ただ、一方で、対外的には対中国を想定していると思われる輸入品に高額な関税をかけるといった経済政策を打ち出しております。
県も、農作物や加工品の輸出額が過去最高を記録するなど、海外マーケットへの進出を拡大しておりますけれども、想定されるトランプ政権のブロック経済的な経済政策に関して、何か所感だとか懸念事項、受け止めがあればお願いします。
知事:トランプ大統領の誕生は、私から見ていると、大きく世界が変わった転換点なのかなというふうに思っています。民主党が言ってきたような、あるいは、日本でもずっとその大前提となっているような民主主義、自由貿易、自由経済、そういうものを超えて、価値主導のそういう世界から、もうちょっとプラグマティックな自分たちの成果物をどう守るのか、移民、あるいは物価高、インフレ、そういう中からどう生き抜くのか、そういう理念から現実的なプラグマティックな政治の世界に国際社会が変わってきているんじゃないかなというふうに思っています。
かつてのような米ソの二極で世界が理念対理念の戦いであったような時代からは、もう各国個別それぞれ自分の国益をどう守っていくか、そういう時代にアメリカ自身も含めて変わってきたということなので、そういう心構えで日本も外交、経済、貿易、様々な問題に当たっていく必要がある。今までのように、国連頼み、それから、多国間の貿易協定頼み、そんなものはほとんど機能しなくなると。実際、国連なども安保理をはじめほとんど機能しなくなってきているわけですけれども、そういう状況になっているので、もうちょっとしたたかに日本の国益を追求しないといけない時代になってきたのかなというふうに個人的には感じております。
それを象徴する大きな時代の転換点が今回の大統領選挙なのかなというふうに思っておりまして、それがどう我々に影響するのかということはこれから見ていかなければなりませんが、やることはそんなに変わらないと。保護主義が進むから貿易をしないでいいといったら自らが保護主義を率先する、そのようなことには全く合理性はないわけで、今、我々が直面している課題というのは、保護主義云々にかかわらず、人口が減少して、国内マーケットが縮小していく。それから、競争力のある産業がどんどん衰退していって、日本から存在しなくなってくる。そういう時代になってきているわけですから、自ら生き抜く力をつける以外に生き延びる道はないわけです。その一つが海外市場の開拓ということであるので、これを変える必要は全くないし、今以上の努力を傾ける必要があるというふうに思っています。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
知事は今、2期やられてきている中で、知事が就任してから、トランプさんとバイデンさんのほぼほぼ半々の時期を過ごされてきているのかなというふうに思います。
その点でお伺いしたいのが、1期目のトランプ政権の時と、2期目のバイデン政権の時、輸出とか対外的にやられてきた取組に、やりにくさであったりとか、やりやすさが出てきたとか。
知事:全く関係ないです。
毎日(幹事社):関係ないですか。分かりました。
ありがとうございます。
幹事社からは以上です。
各社さん、あれば、お願いします。
日刊工:日刊工業新聞です。
今の話にちょっと絡んでくるのですが、農産品とか加工品を頑張って輸出しているというところなんですけれども、改めて意気込みをお聞かせいただきたいのと、あと、今年度の事業の取り組みに対して、知事としての評価みたいなところをお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いします。
知事:農産物とか食品加工品の輸出に力を入れて、体制も整えてやっているところですけれども、成果としては、過去最高を更新したり大幅な伸びを示したりという成果を県としては謳っておりますが、正直、まだまだ足りないというふうに思っております。
残念ながら、茨城県の場合は、若干、ほかの県に比べて不利で、巨大な中国マーケットに輸出できない。それから、韓国にも輸出できない。その2つの巨大マーケット、日本の食品市場にとってみれば最も大きなマーケットにアクセスができないところは非常に大きなハンディになっています。
でも、にもかかわらず、努力することによってここまで伸びてきた。東南アジア、欧米など、最近では中東などにも足掛かりを掴もうとしておりますけれども、そういう努力は決して無駄ではなくて、この足掛かりが、この後、5年先、10年先に大きく効いてくるというふうに信じて我々はやっておりますので、今後とも、引き続き、力を傾けていきたいというふうに思います。
日刊工:ありがとうございます。
NHK:NHKです。よろしくお願いします。
先ほどの幹事社の質問に関連して、2点、お伺いしたいと思います。
1点目なのですけれども、茨城県内で、小選挙区、自民系が3議席にとどまったということそのものに関しては、知事も応援していらっしゃった立場だと思うのですけれども、どのようにお感じになっておりますでしょうか。
知事:先ほど言ったことと同じですけれども、要するに、国民はそういう判断で、こういう変革を求めたという結果なんじゃないかなと思っていますけれども。
NHK:ありがとうございます。
もう1点なんですけれども、今後、自公が過半数割れして、国民民主党などが唱えているような103万円の年収の壁を取り払うというような議論も進んでいくと思います。
それは、103万円ぎりぎりで働いているような方々にとっては結構有利なところかなとは思うのですけれども、財政の収入としては減るというような側面もあると思うのですけれども、その点に関して、知事の受け止めをお伺いできますでしょうか。
知事:先ほど申し上げたように、財政収入が減らないような対応を考えてもらうのが国政の役目じゃないですかね。
税収が減る分、もし、国民民主党が言ったように、本当に税収を減らして、そのしわ寄せを数字どおりに地方に押しつけて成り立つ地方はそうはないと思いますね。これも当然考えるんじゃないですか。
そういう減税で103万円の壁をなくすということもさることながら、今、こういう時代に、例えば、配偶者控除って本当に必要なのかとか、そういう思い切った制度改革まで踏み込んだ議論を是非期待したいというふうに思っています。
NHK:ありがとうございます。
茨城:茨城新聞です。よろしくお願いします。
福島第一原発のデブリについてなのですが、昨日、試験的に取り出しが完了したということで、今後、本県の施設の方に運ばれるということになっておりますが、そのことについて所感をお聞かせください。
知事:予定よりは遅れておりますが、やっとデブリの取り出しに成功し、その分析を茨城県内の施設で行うという段階に進んだことは、廃炉に進むに当たって、一つの大きなマイルストーンではないかなというふうに思います。
まだまだスタート地点に立つか、立たないかぐらいの段階なのかもしれませんけれども、こうやって前進を進めていって、しっかりと福島第一原発の廃炉を完成していくということは大事なことであるのではないかなというふうに感じております。
茨城:ありがとうございます。
日経:日本経済新聞社です。
話は変わるのですけれども、政府が自治体に2025年度末までに求めている基幹業務システムの標準化、そして、ガバメントクラウドへの移行についての質問です。
既に、一部ベンダーから、人手不足などを背景に、移行困難であるというような見通しが出されていて、知事も、10月下旬の関東地方知事会議で、財政支援の課題など問題提起されています。
知事自身は、最大の懸念はどのようなことを抱いていて、どのような影響を県に与えるのではないかと懸念しているのかというところと、国に対してどういうことを求めていきたいのかというのを、2点、お願いします。
知事:ガバメントクラウドに全部乗り換えろという政府のデジタル庁を中心とした方針に基づいて、今、自治体、市町村も県も、特に市町村を中心になのですけれども、動いているわけなのですが、移行期限が2025年(度末)ということなのですけれども、特定のベンダーを含めてもう万歳してしまって、ベンダーは人員不足で2025年(度末)までに仕事は完了できませんと手を上げちゃっているところがあるので、2025年(度末)までしか移行費用を国が支援しないということになると、自腹で移行しなきゃならないという変な話になってしまうので、そういう状況を見誤っているのだから早急に移行に対する支援の在り方、期限を延長するとか、そういうことを含めて早急に検討すべきだというふうに思っています。
でも、最大の問題は、要するに、移行した後の運用費、ランニングコスト、これが我々の試算だと4割も上がるわけですよ。これ4割を自腹で全部負担しろと、あんたたちが言うからガバメントクラウドに移行するけれども、移行したと思ったら今までのシステムに比べて4割もコストが毎年かかっちゃうというのは、それを自腹で負担してくださいというのは、それはないでしょうと。大体、ガバメントクラウドといって共通のプラットフォームにみんな乗せるのだったら、規模の経済が働いて、何か安くなってもおかしくないんじゃないかなというように素人的には思うのですけれども、それが4割も高くなって、それをあんたたちの負担だとやるのは、あまりにも説明不足だし、合理的じゃないし、何らかの対策を取るべきではないかと。そういうところが全く示されていないということに強烈に私は不満を持っておりまして、関東知事会などをはじめ様々なところでこれを訴えていきたいというふうに思っています。
日経:ありがとうございます。
茨城:茨城新聞です。よろしくお願いします。
先日、ユネスコが日本の伝統的な酒造りについて、無形文化遺産に登録するよう勧告がありました。
正式に決まるのは12月になってからだと思うのですけれども、県内で酒蔵が多い茨城県の知事としての受け止めと、今後の国内外への売り込みについての期待感ですとか、アピールポイントなどをお聞かせください。
知事:ユネスコの無形文化遺産に登録される見通しになったこと、非常に喜ばしいことだと思いますけれども、当然、そういう流れがもうできてきていたのかなというふうに思っています。
私も様々なところでお聞きするのですけれども、日本食が非常に世界的に人気が高まっているのと併せて、日本酒というのが海外を中心に非常に人気が出ている。特に、最近では、フランスなんかの一流料理店も日本酒に合うような料理まで提供して、日本酒が分かるソムリエまで備えているというような、そういうことが若干ブームになっているという話も伺ったりもしていますので、日本酒というのが世界でワインに次ぐような非常に人気の高いお酒に成長してきているのではないかなというふうに思います。
そういう中で、茨城県の酒造組合の皆さんも大変期待を持っていらっしゃるというふうに思いますけれども、茨城県の酒造組合は、皆さんも御存じのとおり、様々なところで受賞をするなど、実力、それから、商品の品質もものすごく急上昇しているところであるのですが、この市場、非常に競争も激しいものですから、その競争が激しい中で、より勝ち抜いていくための努力というのは欠かせないというふうに思っていますので、他のメジャーな酒蔵の成功事例なんかを研究しながら、どうやったら国際マーケットで茨城県の地酒が大きく飛躍できるか、そういうことを我々考えながら、今、様々な対策を進めているところです。
茨城:ありがとうございます。
毎日(幹事社):ほか、いかがでしょうか。
茨城放送:LuckyFM茨城放送です。お世話になります。
来週13日水曜日が茨城県民の日、そして、その日に茨城県表彰が行われるかと思うのですが、一部社の広告には既に出ているのですけれども、特別功績者表彰として、洋画家の町田博文さんが受賞をされるということなのですけれども、この受賞理由といいますか、そのあたりをお伺いできればと思うのですが。
知事:県表彰については、後ほど、また別途、発表させていただきますので、そのときにお答えいたします。
茨城放送:待たせていただきます。
ありがとうございます。
毎日(幹事社):ほか、いかがでしょうか。
なければ、終わりにいたします。
ありがとうございました。
知事:ありがとうございました。
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