更新日:2023年5月8日
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オウム真理教(以下「教団」という。)は、かつて、宗教法人を隠れ蓑にしながら武装化を図り、地下鉄サリン事件等数々の凶悪事件を引き起こしました。
ここでは、5,800人以上の方々が被害に遭われた地下鉄サリン事件をはじめ、教団による凶悪事件を振り返り、最近の動向と警察の取組を紹介します。
教団では、かつて、教団からの脱会を表明した信者や元信者をリンチにより殺害したり、信者に薬物を投与するなどして、信者の獲得や脱会防止、信者の結束を図る一方で、活動資金を得るため、多額の財産を有している在家信者等を強引に出家させ、その財産を教団に寄附させていました。
こうした中で数々の逮捕・監禁事件、営利略取事件等を引き起こしました。
また、教団活動に対する障害を取り除こうとして、対立していた弁護士等を殺害したほか、有毒ガスにより多数の人を無差別に殺傷する事件を引き起こしました。
特に、平成7年3月20日、都内の地下鉄3路線でサリンを発散させ「地下鉄サリン事件」を引き起こし、多くの方が死傷するなど、大きな被害を発生させました。地下鉄サリン事件は、化学兵器用のサリンを使用した世界にも類をみない残虐な無差別テロとして、国内外に大きな衝撃を与えました。
教団による一連の事件では、地下鉄サリン事件等13事件の首謀者として死刑が確定した麻原彰晃こと松本智津夫をはじめ、13人の死刑が、平成30年7月に執行されました。
教団は、松本への絶対的帰依を強調する「Aleph(アレフ)」をはじめとする主流派と松本の影響力がないかのように装う「ひかりの輪」を名のる上祐派が活動しており、公安審査委員会は、教団に対し、現在も無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があるとして、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づき、公安調査庁長官の観察に付する処分の期間を3年間(令和6年1月末まで)更新する決定を行いました。
現在、教団は、全国15都道府県に30か所の拠点施設を有し、信者数は、合計で約1,650人(出家信者約250人、在家信者約1,400人)とみられます。
主流派は、教団名を秘匿し、街頭や書店における声掛けのほか、SNSを利用しながら、青年層を中心に、ヨーガ、占い等に興味を持つ者と接触を図り、ヨーガ教室に勧誘するなどして新規信者を獲得しています。
上祐派は、各拠点施設で開催している「上祐代表説法会」や、各地の神社仏閣等を訪問する「聖地修行」等の行事について、ウェブサイトを通じて参加を呼びかけるなどし、信者獲得を図っています。
「オウム真理教」とは?事件を風化させないチラシ(PDF:2,923KB)
教団は、依然として松本及び同人の説く教義を存立の基盤とするなど、その本質に変化がないと認められ、警察では、引き続き、関係機関と連携して教団の実態解明に努めるとともに、組織的違法行為に対する厳正な取り締まりを推進しています。
また、地下鉄サリン事件から長い時間が経過し、教団に対する関心が薄れ、一連の凶悪事件に対する記憶が風化することなどにより、教団の本質が正しく理解されないことも懸念されることから、教団の勧誘対象となりやすい若い世代への啓発活動に取り組むほか、教団の現状や組織的違法行為の検挙事例等の情報を発信するなどしています。
(転載元:焦点第288号、焦点第293号|警察庁)
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