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ページ番号:55082
更新日:2026年4月8日
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茨城県における感染症発生動向調査事業の結果から、薬剤耐性菌による感染症の発生状況についてまとめました。感染症発生動向調査事業については、感染症情報センターホームページをご参照ください。
なお、薬剤耐性菌による感染症とは、感染症法に基づく以下7疾患を指し、2026年4月6日に「多剤耐性緑膿菌感染症」が定点把握対象疾患から全数把握対象疾患となり、名称も変更(旧:薬剤耐性緑膿菌感染症)となりました。
以下、集計データは2026年3月31日時点における情報のため、「薬剤耐性緑膿菌感染症」(定点把握対象疾患)として集計しています。
カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症は、メロペネムなどのカルバペネム系薬剤及び広域β-ラクタム剤に対して耐性を示す腸内細菌目細菌による感染症です。主に感染防御機能の低下した患者や外科手術後の患者、抗菌薬を長期にわたって使用している患者などに感染します。
CREは、複数の系統の薬剤に耐性であることが多く、薬剤耐性遺伝子がプラスミドの伝達により複数の菌種に拡散するなど、臨床的にも疫学的にも重要な薬剤耐性菌として国際的に警戒感が高まっています。
国内におけるCRE感染症報告数は、2018年以降、年間約2,000例前後とほぼ横ばいで経過しており、本県においても2019年~2023年は50~60例とほぼ横ばいで推移していましたが、国内・本県ともに2024年以降は減少傾向となっています。





バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症は、バンコマイシン耐性を示す黄色ブドウ球菌による感染症です。バンコマイシンは、多くの抗菌薬に耐性をもった菌にも効果があるとされ、治療に用いられていますが、長期投与を続けることでバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌が発生する可能性があります。
VRSA感染症は世界的にも稀で、日本国内では確認されておりません。
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症は、バンコマイシンに対して耐性を示す腸球菌による感染症です。腸球菌は様々な抗菌薬に耐性があり、効果がある抗菌薬としてバンコマイシンを用いた治療が行われていますが、そのバンコマイシンに対し耐性を獲得した腸球菌に感染することで発生します。
主な感染経路は接触感染で、手洗いや消毒が不完全な場合、汚染された医療器具や医療従事者の手などを介して院内感染を起こすこともあります。
2020年以降の国内におけるVRE感染症報告数は、年間100例を超える報告が続いていましたが、2025年は100例未満に減少しました。本県におけるVRE感染症の報告は稀であり、2025年の報告は0例でした。

薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症は、通常のアシネトバクター感染症の治療に使用する抗菌薬である広域β-ラクタム剤、アミノ配糖体、フルオロキノロンの3系統の薬剤に対して耐性を示すアシネトバクター属菌による感染症です。アシネトバクター感染症は、健康な人が発症するのは稀であり、免疫が低下した人などが発症するいわゆる日和見感染症です。
国内におけるMDRA感染症報告数は、2016年以降減少傾向にあり、2020年以降は年間10例前後で推移しています。本県では数年ごとにMDRA感染症の報告があり、2025年の報告は0例でした。

ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症は、ペニシリンに耐性を示す肺炎球菌による感染症です。肺炎球菌は健常者の口腔内に常在していることが多く、通常は無症状ですが、乳幼児の化膿性髄膜炎や小児の中耳炎、肺炎、高齢者の肺炎などの原因菌となります。
国内におけるPRSP感染症報告数は減少傾向が続いており、本県においても年間報告数は10例未満で推移しています。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症は、メチシリンなどのペニシリン剤をはじめとして、広域β-ラクタム剤、アミノ配糖体、マクロライド剤などの多くの薬剤に対し、多剤耐性を示す黄色ブドウ球菌による感染症です。黄色ブドウ球菌は、健康な人の常在菌で皮膚や鼻腔内に存在し、通常は無症状ですが、免疫力が低下した人などでは様々な疾患の原因となります。
近年のMRSA感染症報告数は、国内・本県ともに増加傾向にあり、本県の2025年のMRSA感染症報告数は過去10年間で2番目に多い報告となっています。



薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症は、通常の緑膿菌感染症治療に用いられる抗菌薬である広域βラクタム剤、アミノ配糖体、フルオロキノロンの3系統の薬剤に対して耐性を示す緑膿菌による感染症です。緑膿菌は、水回りなどの生活環境中や人の口腔内・腸管内に常在しており、通常は無症状ですが、免疫力が低下した人の場合、敗血症や肺炎、尿路感染症などの感染症の原因となります。
国内におけるMDRP感染症報告数は減少傾向にありましたが、2025年は微増しました。本県においては、2022年以降、3年連続で減少しています。