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更新日:2022年12月28日
イネカメムシは斑点米カメムシ類の一種です。近年、茨城県をはじめ全国的に発生が増加傾向にあります。イネの穂が本種によって吸汁加害されると斑点米を生じ、また、乳熟期に本種の加害がはなはだしい場合は不稔となり、穂は立ったままとなって減収することから問題になっています。
成虫の体長は12~13mm、県内では年1世代を経ます。成虫で越冬し、7月の早生品種出穂に伴い水田に飛来、交尾・産卵します。その後、次の世代が約1か月後に成虫となり、晩生品種等の出穂直後の水田に移動し、水稲の収穫前には越冬地へ移動します。越冬地は不明で、夜行性であることから日中はイネの株元に潜んでいることが多いです。
出穂後の薬剤散布は効果的な防除法です。不稔被害防止には出穂期~穂ぞろい期の防除、斑点米被害防止には乳熟期(出穂後10~15日後)の防除を行うことで、被害を抑えることができます。
↑イネカメムシ成虫
↑イネカメムシ成虫
↑イネカメムシ成虫
↑イネカメムシ成虫
↑イネカメムシ卵塊(一度に約14個の卵を産みます)
↑イネカメムシ1齢幼虫(2齢になるまで卵の近くでじっとしています)
↑イネカメムシ幼虫
↑イネカメムシ幼虫
↑イネカメムシ5齢幼虫
↑イネカメムシが多発生した水田の様子
(2022年7月、利根町で早生品種の穂ぞろい頃に撮影しました。
周辺は中生品種が多くまだ出穂していなかったため、集中的に飛来してきたと考えられます)
↑基部加害の斑点米(イネカメムシは玄米の基部を特異的に加害します)
↑イネカメムシによる吸汁痕(籾基部の赤いところ)
0.5%酸性フクシン液で染色すると口針鞘だけが赤く染色される
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