令和5年度茨城県農泊推進モデル事業「農泊・都市農村交流活性化セミナー」

農泊は、「日本ならではの伝統的な生活体験と非農家を含む農村地域の人々との交流を楽しむ農山漁村滞在型旅行」です。

新型コロナウイルスの感染拡大等を受け、安全・安心な旅行先として地元・地域で過ごす「マイクロツーリズム」や「農村での教育旅行」が注目されていますが、本県では農村地域での受入れ組織が減少しており、大規模な団体の受入れができていない状況にあります。

そこで、農泊事業者の経営力・収益力の向上をはじめとした受入体制の強化、農泊の取組を実施している団体等の交流促進による関係者間の連携強化を図ることにより、本県の農泊をより一層推進するため、本事業を実施しました。

実施状況

講座1回目

• 日時：令和5年11月14日(火曜日)
• 場所：茨城県水戸生涯学習センター大講座室
• 講師：株式会社百戦錬磨 取締役・一般社団法人日本ファームステイ協会　事務局長　大野彰則氏
• 内容：「農泊推進に取組み、地域活性化をしている事例」というテーマで講義が行われました。アフターコロナにおいて地域が農泊を取り組むべき視点に関して、海外のアグリツーリズモの取組や、空き家や別荘を活用した農泊商品の磨き上げ、農泊コンテンツのプロモーション手法など、日本ファームステイ協会が推進する活動を交えながらお話しいただきました。
  また、「ターゲティングとマーケティングについて」というテーマでディスカッションを行い、地域の農泊サービスのターゲティングと農泊商品を4P(Product・Price・Place・Promotion)の観点から考えました。
  　

講座2回目

• 日時：令和6年1月29日(月曜日)
• 場所：かすみがうら市交流センター(古民家視察：ゲストハウス「古民家江口屋」)
• 講師：認定NPO法人遠野山・里・暮らしネットワーク　チーフディレクター　田村隆雅氏
• 内容：まず、明治後期に建てられた元造り酒屋の建物を活用した「古民家江口屋」を、かすみがうら未来づくりカンパニーの今野代表取締役のご案内のもと、見学しました。
  講演では「遠野のグリーン・ツーリズム／農泊の取り組み-遠野型グリーン・ツーリズムのコミュニティづくり、広域連携-」と題して、遠野市の現状を踏まえた無理をしない農泊の取組や、既存の民宿旅館・農家民宿を活用した合宿免許事業、遠野ならではのユニークな旅の産地直売所やサイクリングの取組などを、具体事例を交えながらお話しいただきました。
  ディスカッションでは遠野市の取組を参考に、地域が持つ観光素材の効果的なプロモーションについて話し合いました。
  　
  　　 

講座3回目(先進地視察)

• 日時：令和6年2月22日(木曜日)
• 場所：栃木県大田原市
• 視察先：花園創、和印～WAIN～
• 講師：株式会社大田原ツーリズム　代表取締役社長　藤井大介氏
• 内容：まず、栃木県大田原市の都会のアグリツーリズモ（喧騒から離れ、その地域の食材や豊かな自然を楽しむ農泊のこと）農家である「花園創」と「和印～WAIN～」を視察しました。
  講演では、大田原ツーリズムの農泊地域の作り方について、藤井社長よりお話を伺いました。「農村に長期滞在の観光を作る」というコンセプトのもとで那珂川町に整備した飯塚邸を例に、世界市場における農家ホテル整備の重要性などを御説明いただきました。
  講演後は、今回の視察を踏まえて、自身の地域に活かせることや取り入れていきたいことについてディスカッションを行いました。