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ページ番号:42680
更新日:2018年3月22日
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期間・区分
平成2年度~,県単
背景・目的
黒毛和種の受精卵移植技術の普及定着を図るためには,農家への安定した受精卵の供給と凍結保存受精卵の高い受胎率が必要である。そのために,受精卵の効率的な生産および凍結・融解技術の確立を図る。
方法
当センター飼養の供卵牛(黒毛和種)を供試牛として,常法で過剰排卵処理を行い採卵を実施した。凍結方法は,耐凍剤を用いた緩慢冷却法で行った。
成果・評価
センター飼養供卵牛延べ56頭で採卵した結果,回収卵数638個のうち正常卵数210個で,平均正常卵数は3.8個,正常卵率は32.9%であった。
供卵牛の血統別の採卵成績を比較したところ,血統による採卵成績に差はみられなかった。さらに供卵牛が人工授精産子であるか受精卵産子であるかと採卵成績を比較したところ,差はみられなかった。
農家飼養黒毛和種雌牛延べ33頭では,回収卵数353個のうち正常卵数139個で,平均正常卵数は4.2個,正常卵率は39.4%であった。農家飼養ホルスタイン種雌牛延べ12頭では,回収卵数54個のうち正常卵数35個で,平均正常卵数は2.9個,正常卵率は64.8%であった。
供卵牛のうち1頭についてβカロテン添加飼料給与による採卵成績の比較検討を行った。その結果,前回採卵時回収卵数16個,正常卵数3個であったのに対し,今回回収卵数27個,正常卵数11個で正常卵率が上昇した。
県内農家等への受精卵譲渡個数は114個であった。
期間・区分
平成28~31年度,県単
背景・目的
市場価値の高い黒毛和種雄子牛を選択的に生産できる一方で,牛体内胚採取において正常胚率が低い性選別精液と,深部注入器を用いた人工授精技術を併用することにより,効率的に黒毛和種雄子牛を生産する技術の確立を図る。
方法
供試牛に常法にて過剰排卵処置を行い,通常または性選別精液を用いて人工授精を行い,7日後に子宮かん流液にて採胚し,胚の受精率について比較検討した。また,性選別精液を用いた人工授精を行う際に,深部注入器を用いて授精を行い,7日後に子宮かん流液にて採胚し,胚の受精率について比較検討した。
成果・評価
通常精液を通常の人工授精器で授精し採卵する区(対象区),雄性選別精液を通常の人工授精器で授精し採卵する区(試験区1),雄性選別精液を深部注入器で授精し採卵する区(試験区2)を供試牛各区5頭ずつ実施し,受精率の比較検討を行った。その結果,試験区1で受精率57.1%であったのに対し,深部注入器を使って授精した試験区2では受精率76.2%で受精率が上がった。なお,対象区の受精率は85.7%であった。
期間・区分
平成28~32年度,国補
背景・目的
デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は性ホルモンの前駆物質であり,ヒトでは様々な効果が認められている。
そこで,黒毛和種繁殖雌牛におけるDHEA及びその硫酸抱合体であるDHEA-Sと体内胚採取成績の関連性を分析するとともに,DHEAの投与により体内胚採取成績を向上させる方法を確立することで,より効率的な体内胚採取方法を確立する。
方法
黒毛和種の血中DHEA(-S)の測定方法を検討するため以下の3つの測定法を行った。
成果・評価
黒毛和種の血中DHEA(-S)濃度は,ヒトに比べ非常に微量であるため,イムノアッセイ法による測定はできなかった。今後,LC/MS/MS法により,黒毛和種繁殖雌牛でのDHEA(-S)の体内動態を明らかにしていく。