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更新日:2026年11月4日
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令和8年第4回定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
はじめに、災害への対応能力の向上についてであります。
近年、自然災害の激甚化・頻発化が進んでおり、本年も、令和8年熊本地震のほか、千葉県や石川県、福井県などにおいて豪雨災害が発生するなど、全国各地で地震や豪雨などによる甚大な被害が相次いでおります。
特に、令和8年8月千葉豪雨においては、人的被害や多数の住家被害に加え、道路のアンダーパスで多くの車両が水没するなど、深刻な被害が発生いたしました。また、ハザードマップが未作成の地域においても被害が生じたことから、内水氾濫のリスクを適切に把握し、ハザードマップの作成・充実を進めることの重要性が浮き彫りになりました。
本県におきましても、こうした災害を教訓として、県民の命と暮らしを守るため、災害に強い県土整備と地域の防災力の強化に向けた取組を加速させてまいります。
具体的には、去る9月7日から、県管理道路のアンダーパス全9か所において、人命の安全確保を最優先に、国と同様に、予防的な事前通行規制を導入したところであります。
さらに、住民の方々に地域の浸水リスクをあらかじめ把握していただき、災害発生時に適切な避難行動につなげていただくことが重要であることから、内水ハザードマップが未作成の市町村に対し、基礎資料となる浸水想定区域図の作成を県が支援することで、県内全市町村における内水ハザードマップの早期作成を促進してまいります。
こうした取組を通じ、災害への対応能力の向上を図り、県民の安全・安心の確保に、全力で取り組んでまいります。
次に、次世代産業の拠点形成についてであります。
地方への大規模投資の呼び込みや産業クラスターの戦略的な形成を目指す、国の「地域未来戦略」に関して、去る9月30日に開催された「地域未来戦略に関する関係副大臣等会議」において、私自ら本県の計画について説明するなど、積極的に取り組んできた結果、「宇宙」、「カーボンニュートラル」、「フィジカルAI」の3つの分野について承認を受けたところであります。
宇宙分野では、JAXAをはじめとする研究機関と、ものづくり企業が集積する本県の強みを活かし、宇宙ベンチャーを核として、付加価値の高い宇宙機器を開発・製造する産業クラスターの形成を目指すこととしております。
また、カーボンニュートラル分野では、茨城港と鹿島港の2つの重要港湾を活かしたクリーンエネルギーの供給拠点やグリーンケミカル拠点の形成を目指すこととしております。
さらに、フィジカルAI分野では、県内企業のフィジカルAI関連市場への参入を促進し、ビジネスが継続的に生まれる環境を整備することで、新たな産業の創出を目指すこととしております。
今般の計画策定を機に、国の支援策なども積極的に活用しながら、本県の強みを活かした産業クラスターの形成を進め、地域経済の持続的な成長に繋げてまいります。
なお、フィジカルAI産業の創出につきましては、7月に設立した「いばらきフィジカルAI産業創出コンソーシアム」を中心に、最新技術を学ぶセミナーやヒューマノイドロボットの体験会を開催するほか、第3回定例会でご議決いただいた補正予算を早速実行に移し、先月からは、新たに「フィジカルAIビジネスコーディネーター」を配置し、企業のニーズや技術シーズのマッチングを促進するとともに、研究開発・実証への支援を行うなど、具体的なビジネス創出に向けた取組を始めたところです。
今後、コンソーシアムでの成功事例や取組を積み重ね、新たなビジネスや技術が生まれる好循環の実現を目指してまいります。
このほか、次世代の有望なエネルギー技術として、国の成長戦略にも位置付けられているフュージョン発電について、これまで、他県に先駆けて国の発電実証プラントの誘致を進めてまいりましたが、先月、フュージョンエネルギー関連のスタートアップ企業による発電実証プラントの設置候補地の公募があり、本県では、常陸大宮市上村田地内に所在する、農業・食品産業技術総合研究機構の研究拠点である「放射線育種場跡地」を建設候補地として提案いたしました。
フュージョン発電は、環境問題とエネルギー問題を同時に解決する次世代のエネルギーとして期待されており、実用化に向けた投資が拡大するなど、新たな成長産業として注目を集めております。
本県には、量子科学技術研究開発機構が設置する「那珂フュージョン科学技術研究所」において、フュージョン発電に関する研究が進められており、研究所周辺には関連企業も多数所在しております。実証プラントの建設により、周辺に集積する関連企業との相乗効果を通じて、地域経済への大きな波及効果と新たな雇用創出が期待されることから、誘致の実現を目指してまいります。
これらの取組を通じて、成長が期待される次世代産業を本県の新たな強みへと育て、将来にわたり持続的に発展する産業基盤を築いてまいります。
次に、ものづくり企業の海外展開支援についてであります。
本県のものづくり産業は、長年にわたり培われた高い技術力と、優れた製品開発力を強みとして、本県経済の発展を支えてまいりました。
一方、加速度的に進む人口減少や原材料価格の高騰など、県内企業を取り巻く環境は厳しさを増しております。こうした中、グローバル化が進む世界市場で成長を続けるためには、半導体産業や医療機器産業など、世界の成長分野の動向を的確に捉え、自社の強みを活かしながら、海外市場の開拓に挑戦していくことが重要であります。
こうした考えのもと、県では、いばらき中小企業グローバル推進機構と連携し、県内ものづくり企業の海外展開を支援しております。今年度は、成長産業として注目される台湾の半導体を新たなターゲットとして位置づけ、去る9月2日から4日にかけ、台湾で開催されたアジア最大級の半導体関連の展示会に、初めて茨城県ブースを設置し、県内企業15社が出展いたしました。半導体関連分野で高まる需要を捉え、本県企業の技術力や製品を海外に発信するとともに、新たな商談機会の創出を図ったところであります。
また、本県に拠点を置く金融機関と現地の金融機関との提携関係に基づき、半導体関連企業などによる現地ビジネス交流会を開催することで、台湾における新たな販路開拓を支援いたしました。
さらに、今月中旬にはドイツとタイ、来年2月には米国で開催される国際展示会に、 22社の県内企業が茨城県ブースでの出展を予定しております。
引き続き、国や関係機関、金融機関、経済団体などとも緊密に連携し、本県ものづくり産業の国際競争力を高め、企業が挑戦し、成長できる環境づくりを進め、本県の産業基盤をより強固なものとしていけるよう、全力で取り組んでまいります。
次に、県北地域の振興についてであります。
「常陸国ロングトレイル」につきましては、多くの関係者の方々のご協力をいただきながら、このたび、ついに全線開通を迎えました。これを記念し、去る9月19日には、常陸大宮市の高部宿において、約300名の方々にご参加いただき、記念式典を開催するとともに、尺丈山への歩き初めを行いました。
また、式典や歩き初めにもご参加いただいたプロアドベンチャーレーサーの田中陽希氏にアンバサダーに就任いただいたところであり、全線開通を契機に、コース沿線の豊かな自然や地域の魅力を広く発信し、国内外からの誘客をさらに加速してまいります。
このほか、先月3日には、里山資源を活用した新たな観光コンテンツとして、常陸太田市に忍者修行体験ができる「常陸国忍者学校」を開校するとともに、今月1日には大子町の道の駅においてプロの忍者を招いたイベントを開催いたしました。今後も忍者をテーマにしたハイキングやキャンプなどのイベント開催を予定しており、豊かな自然の中で忍者装束に身を包み、謎解きや手裏剣打ち、山歩きといった体験を多くの方々に楽しんでいただけるものと考えております。
さらに、昨年に引き続き、先月17日及び18日の2日間にわたり、奥久慈を舞台とする国内唯一無二のサバイバルレース「Okukuji X」を開催いたしました。当日は、県内外から前回を上回る延べ363名が出走し、大いに盛り上がったところであります。今後も大会の魅力を磨き上げながら定着を図り、県北地域の魅力を広く国内外へ発信してまいります。
加えて、先月24日には、大子町の駅前商店街などを会場に、コスプレイベント「アコスタ!」を開催し、コスプレイヤーなど約350名が参加したほか、多くの方々にお越しいただきました。当日は、JR水郡線で初となるコスプレ貸切列車を運行するとともに、会場の至る所で色とりどりの衣装に身を包んだコスプレイヤーが撮影を楽しむなど、大変な賑わいを見せたところです。
引き続き、若年層をはじめとした継続的な来訪を促進する施策を通して、地域活性化を図ってまいります。
県北地域の振興は、県全体の活力を高める上でも重要な課題であります。関係市町、地域住民、事業者、関係団体が一体となり、それぞれの地域の特色を生かした取組を積み重ねることで、地域資源が新たな価値を生み、人が集い、暮らし続けたいと思える県北地域の実現を目指してまいります。
次に、本県の「食」の魅力の発信についてであります。
先月10日から12日までの3日間、本県を代表する新たなご当地グルメの創出を目指し、「シン・いばらきメシ総選挙2026」を開催いたしました。2回目の開催となる今回も、県内全市町村から地域の特色を活かした渾身のグルメが集結し、会場には延べ約6万3千人もの方々にお越しいただきました。
来場者による投票などを経て、一般料理部門では鹿嶋市の「シン・かしまし豚丼」が、スイーツ部門では日立市の「もっちりんごSUN」が、それぞれの部門のグランプリに輝きました。
そのほかの賞も含め、受賞グルメについては、メディアやインフルエンサーを活用したプロモーションや、商品化に向けた継続的な支援を通じて更なる磨き上げを図り、地域に根付く新たなご当地グルメとなるよう後押しすることにより、新たな誘客と地域振興につなげてまいります。
また、今月21日から23日の3日間、都内の駒沢オリンピック公園において「茨城をたべよう収穫祭」を開催いたします。
会場では、県内有名店による人気メニューの提供のほか、「シン・いばらきメシ総選挙2026」の受賞グルメをはじめ、クラフトビール、ワイン、日本酒といった本県のお酒や新鮮な県産農産物、ほしいもなどの加工品も販売いたします。
こうした機会を通じ、本県が誇る豊かな「食」の魅力を県内外に広く発信するとともに、県産品の認知度向上やブランド力の強化を図り、消費拡大や本県への誘客につなげてまいります。
次に、魅力ある稼げる観光地域づくりについてであります。
国内外の観光需要を効果的に取り込むためには、他地域との徹底した差別化が重要であることから、特徴的で話題性のあるプロモーションを戦略的に展開しているところであります。
先月17日からは、人気アニメ「薬屋のひとりごと」と連携し、県内を巡るスタンプラリー「続 薬屋の巡遊録」を開始いたしました。併せて「いばらきフラワーパーク」や「ザ ボタニカルリゾート 林音」でのコラボメニューの提供のほか、首都圏の主要駅でのポスター掲出や駅構内の大型ビジョンを活用して観光誘客動画を放映するなど、季節ごとに注目度の高いプロモーションを展開してまいります。
このほか、先月22日からは、ひたちなか海浜鉄道湊線沿線を舞台に、若者に人気の VTuberグループ「にじさんじ」と連携した周遊企画を開催しており、県内外から多くのファンが現地を訪れ、地元からも「新たな賑わいが生まれている」との声をいただいております。
加えて、先月10日から交付を開始した、「IBARAKI PASSPORT」につきましては、第1弾として準備した1万部に対し、去る9月14日から申し込みの受付を開始したところ、県内外から想定を大きく上回る応募をいただきました。この反響を受け、早速増刷を決定し、現時点で5万名を超える方々から申請をいただいております。今後、希望する方々へ順次交付を行う予定であり、多くの方に「IBARAKI PASSPORT」を手に取っていただき、県内各地域の魅力に触れていただきたいと考えております。
これまでに交付を受けた方のうち、既に100名を超える方が県内44市町村を巡るスタンプラリーをコンプリートするなど、県内各地を巡る動きが広がっており、SNS上においても、「茨城の魅力を再発見した」「茨城のファンになった」などといった声が数多く寄せられているところです。
これらの取組を通じて、県内各地への周遊促進と観光消費額の拡大を図り、「魅力ある稼げる観光地域づくり」を強力に推進してまいります。
次に、在南米県人会創立65周年記念式典への出席についてであります。
先月15日から22日までの8日間、ブラジル及びアルゼンチンを訪問し、両国の茨城県人会創立65周年記念式典に出席してまいりました。
県人会主催の記念事業に私自らが出席したことに対しまして、多くの歓迎と感謝の言葉をいただいたところであります。
現地では世代交代が進み、日常的に日本語を使わない方々も多くなる中、県人会の方々からは、本県との交流は、ふるさと「茨城」とのつながりを次の世代へと受け継ぎ、会員同士の結束を深めるうえでも大変意義深いとの声をいただいており、本県にとっても、海外に暮らす県人会の方々と本県との絆を深める大切な機会でありますことから、引き続き、在南米県人会を通じた交流に努めてまいります。
また、この度の訪問に合わせ、私自ら県産品の海外販路拡大に向けたトップセールスを行ってまいりました。
ブラジルへの経由地である米国ダラス市内においては、現地飲食店に対し常陸牛やコメなどの農産物に加え、日本酒や冷凍焼き芋などの加工食品を幅広く提案いたしました。
また、ブラジル・サンパウロ市内で実施したビジネスイベントでは、現地生産の納豆やレンコンなど、茨城とゆかりのある食材と本県の食品加工技術を掛け合わせた共同での商品開発を提案したところ、現地の食品加工業者をはじめ、多くの方から高い関心を示していただいたことから、今後、具体的なビジネス展開に向けた取組を推進してまいります。
引き続き、在南米県人会との交流を大切にするとともに、現地との経済交流も深め、本県の経済発展につなげてまいります。
次に、森林湖沼環境税の課税期間の延長についてであります。
本県では、平成20年度に森林湖沼環境税を導入し、森林の保全・整備と湖沼・河川の水質保全に活用してきたところであり、私の知事就任以降は、優先課題を見極め、より効果の高い施策に重点的に取り組んでまいりました。
まず、森林の保全・整備では、公益的機能を将来にわたり発揮させるため、林業を持続可能な産業として発展させていく必要があることから、現行の第4期では、規模拡大に意欲的な林業経営体への支援を進めてきた結果、経営体の規模拡大とともに、再造林面積が年間約200ヘクタールまで拡大するなど、森林資源の循環利用の進展が図られたところであります。
次に、湖沼・河川の水質保全では、豊かな恵みをもたらす霞ヶ浦の水質保全対策に重点的に取り組んでまいりました。第4期では、高度処理型浄化槽の設置補助や小規模事業所への規制強化などを進めてきた結果、有機物の指標であるCODは税導入前の1リットル当たり約9ミリグラムから7ミリグラム台へ低下するなど、着実な改善が見られたところであります。
こうした中、森林湖沼環境税の課税期間が今年度で終了することから、専門家の評価・意見も踏まえ、これまでの取組や今後の課題を検証してまいりました。その結果、森林や湖沼・河川が有する水源涵養、土砂流出防止、利水などの公益的機能の維持・向上を図るためには、所要の財源と事業実施期間を確保する必要があると判断し、今定例会に、課税期間を5年間延長する改正条例案を提出したところであります。
次期課税期間で取り組む内容といたしましては、森林の保全・整備については、施業地の大規模化などを進める林業経営体の伴走支援に加え、強度に着目した県産木材のブランド化による付加価値向上を図り、経営体の収益性を高めることで、森林資源の循環利用をさらに促進させてまいります。
また、湖沼・河川の水質保全については、霞ヶ浦のCODが、気候変動による濃度上昇を考慮しても低減できるよう、水質浄化対策を着実に実施するとともに、近年、霞ヶ浦で発生しているアオコの悪臭被害を未然に防止するため、アオコを沈降させる機能を持つ水上ドローンを、フィジカルAIを活用して自動航行させるという日本初の取組を進め、アオコの早期発見・早期対策を図ってまいります。
今後とも、県民や市町村、事業者のご理解とご協力をいただきながら、森林の公益的機能の維持・向上のための取組や、霞ヶ浦を良好な水環境で将来世代に引き継ぐための取組に全力で取り組んでまいります。
次に、提出議案等についてご説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算の補正に関するもの3件、条例その他19件、報告1件であります。
まず、予算の補正についてでありますが、公の施設の管理運営に関する債務負担行為の設定などであり、一般会計で1件、特別会計で1件、企業会計で1件であります。
条例は、先に申し上げました「茨城県森林湖沼環境税条例の一部を改正する条例」など、改正するもの6件であります。
条例以外の議案としては13件で、「指定管理者の指定について」などであり、報告は、専決処分の報告であります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、議案書などによりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。