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更新日:2024年10月2日
カンピロバクター食中毒はノロウイルス食中毒と並んで毎年多く発生している食中毒です。生または生焼けの食肉(特に鶏肉)が原因で発生することが多いので,お肉は中心部までよく焼いてから食べるようにしましょう。
カンピロバクター(特にカンピロバクター・ジェジュニとカンピロバクター・コリ)は主に家畜の腸管内に生息している細菌で,乾燥や熱,酸素,酸などの刺激に弱く,食品上ではほとんど増殖しません。しかし,微量でもこの細菌に汚染された食肉を生または生焼けの状態で食べてしまうと食中毒を引き起こすことがあります。
(左)CCDA培地上のカンピロバクター・ジェジュニ
(右)グラム染色したカンピロバクター・ジェジュニ(細長いらせん状)
カンピロバクター食中毒は毎年多く発生している食中毒です。
(図)過去5年間の食中毒発生件数(全国,原因上位5項目)
原因食品は主に生または加熱不十分の食肉(鳥刺し,鳥わさ,ユッケ,レバ刺し,焼き鳥,焼肉など)で,特に鶏肉が多いです。
症状は胃腸炎(腹痛,下痢,発熱,頭痛,嘔吐,悪寒,戦慄など)で,感染してから発症するまでに平均2~3日と時間がかかることが特徴です。ほとんどの場合予後良好ですが,まれに敗血症や髄膜炎などの全身性感染症やギラン・バレー症候群(神経麻痺を引き起こす)という重篤な後遺症が起こることが報告されているので,十分な注意が必要です。
カンピロバクターは熱に弱いので,食品をしっかり加熱することが重要です。特に生肉にはカンピロバクター以外にも食中毒の原因となる細菌がついていることがあるので,お肉の中心部の色が白っぽく変わるまでしっかり加熱しましょう(75℃以上で1分以上加熱する)。
また,カンピロバクター食中毒は少ない菌量でも発生するので,生肉の肉汁でほかの食品や器具を汚染しないように注意しましょう。例えば,生肉を扱ったあとは手や調理器具をよく洗って消毒しましょう(まな板,包丁は生肉専用のものがあると良いです)。生肉を保存するときは,ラップやポリ袋を使って肉汁が漏れないように注意しましょう。
茨城県衛生研究所ではカンピロバクター食中毒を減らすために,認定小規模食鳥処理場や市販されている食肉の衛生試験検査,食中毒事例の原因究明の検査や調査研究など,さまざまな検査や研究を行っています。
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